いまや世界を席巻するK-POPのブームはまだまだ続きそうですが、そんなK-POP界でかつて、過激すぎて放送禁止になった曲がいくつかあることを皆さんはご存じですか?
韓国には、放送通信審議委員会という大統領直属の機関があり、青少年保護法に基づき、審議規定に反するような放送がされた場合、ペナルティーの対象になることがあり、改善を求められたり、最悪の場合は有害媒体物決定を受け、放送禁止になったりするそうです。
厳しい既定のある韓国で、性的な表現や過激な振り付けは、一歩間違えば国民に拒否されてしまったり、顰蹙(ひんしゅく)を買う恐れもあります。
そんなリスクを背負いながらも、逆に炎上的な話題を狙ってか、いくつかの過激な振り付けのK-POPが発表されては、改善を促され手直しがされたり、放送禁止になったりしてきました。
今日はそんな過激すぎて放送禁止になった曲5選をご紹介したいと思います。
過激パフォーマンスで問題!韓国女性アイドルの曲
Girls’ Day『Something』
Girls’Day(ガールズディ)は2010年から2019年まで活動していた女性グループで、2013年よりセクシー路線への変更が成功し、人気を得ました。
問題の曲『Something』は2014年に発売されたアルバムのタイトル曲で、音楽番組1位を総なめし、大ヒットに繋がりましたが、冒頭にメンバーが四つん這いになり、腰を振るような振り付けが過激すぎると批判が起こり、問題視されたそうです。
結局、放送通信審議員会の指導が入り、この振り付けは変更されました。
私もMVを見ましたが、正直最初の場面からピンクや紫のライトが光るセットや、白や黒を基調とし、へそ出しのトップスやスリットの入ったスカート衣装、健全からは程遠い演出に、これは批判が出ても仕方がないな、という印象です。
最初の腰振りの振り付けも過激ですが、曲半ばでスカートのスリットをめくり、内股に指を這わせる振り付けも小さな動きではありますが、問題になりそうなアクションだと感じました。
EXID『UP&DOWN』
EXID(イーエックスアイディー)は2012年デビューの女性グループ。
前事務所との契約満了に伴い、2019年より活動休止状態でしたが、2022年にシングル「X」をリリースして活動を再開しました。
2014年に発売された「UP&DOWN」は、へそ出しで体に密着したTシャツと、黒いタイツ姿のメンバーが腰に手を当て前後に動かしたり、お尻を突き出す後姿が骨盤ダンスと言われ問題となり、放送禁止判定を受け、振り付けの変更を余儀なくされたそうです。
曲自体も発売当初はあまり上位に上がることもなく、宣伝活動期間が終了しましたが、その後、YouTubeなどで話題になり、発売から4カ月後にランクインするという珍しいヒットの仕方をした曲でした。
MVを見ましたが、確かにタイツ姿の骨盤ダンスはものすごいインパクトと過激さがありますが、それ以外にもひざまずいた下半身をお尻のほうから映したりと骨盤ダンス以外にもセクシーを意識したカットがいくつかありました。
実はEXID、2018年にこのUP&DOWNの日本語バージョンで日本デビューしており、JapaneseバージョンMVもあります。
そちらも骨盤ダンスはあるのですが、どちらかというとカラフルでPOPなセットで本国バージョンよりセクシーさが抑えられている印象があります。
興味ある方はぜひ視聴してみてください。
Rainbow Blaxx『Cha Cha』
2009年から2016年まで活動していた「RAINBOW」内の4人組ユニット「RAINBOW BLAXX(レインボーブラック)」が、2014年にタイトル曲「ChaCha」を収録したスペシャルアルバム「RB Blaxx」でデビュー。
元々19禁(日本で言う18禁)なセクシーがコンセプトのユニットで、黒のボディースーツにガーターベルト、ソファーに寝転んでお尻を突き出したり、スイーツを食べる口元や宝石がこぼれ落ちる口元を執拗に映し、その表現が問題視されました。
衣装などは、世界の有名な女性歌手達を見れば、過激すぎるというものでもないのかもしれませんが、仕草や映し方が性的表現と受け取られてしまえば、見過ごすわけにはいかないミュージックビデオになってしまったのでしょう。
MVは、ショーガールのバックステージのような設定で、ヨーロッパ調の家具で揃えられた家具は華やかな世界を印象付けますが、下着のような衣装で体を撫でるような振り付けはこれまで紹介してきた曲の中では一番のセクシーなのではないかと思います。
Dalshabet『JOKER』『B.B.BI』
Dalshabet(ダルシャーベット)は2011年にデビューしたグループです。
2018年に活動を終了していましたが、2019年に活動を再開しています。
「JOKER」はトランプがらの世界観までは、おとぎの国のようにかわいいのですが、腰あたりを撫でまわし、下半身に手を当て腰を前後左右に振るような踊りは、性的な連想をさせるといっても過言ではないでしょう。
「B.B.BI」に関しては私がMVをみたところ、多少胸元や腰を撫でるような振り付けはあるものの、それ以上のセクシーな振り付けを見てきて感覚がマヒしているのかもしれませんが、それほど問題があるような内容には思いませんでした。
歌詞の日本語訳も確認しましたが、あまり問題のあるような内容にも思えません。
おそらく最初に書いた胸元や腰を撫でるような振り付けが煽情的という判断をされたのかもしれませんね。
ヒョミン『Nice Body』
ヒョミンは人気女性グループ「T-ARA」のメンバーで2014年にリリースされたこの「NICE BODY」が正式なソロデビュー曲となります。タイトルからもわかる通り、ボディーラインが曲のテーマになっているので振り付けも体のラインを強調する物が多く、お尻や腰を振るような動きが多かったため、性的な表現が多いと不適格判定曲とされてしまいました。
MVではサビの部分でヒップをメジャーで計るようなポーズで腰を振ったり、ダンスのレッスンバーに寄りかかりながらお尻を振ったりと確かにセクシーな振り付けはあるのですが、それ以外には体のラインを強調するようなカットはあってもそれほど問題視しなくてもいいのでは、という印象でした。
まとめ
K-POP振り付け過激すぎて放送禁止になった曲5選、いかがだったでしょうか。
2010年くらいから始まったK-popの過激すぎるセクシーブーム。
2015年、清純やかわいさ、POPなイメージをコンセプトにデビューしたTWICEが人気を博し、K-POP女性アイドルグループの軸であったセクシーコンセプトは徐々に少なくなりました。
個人的には、過度にならなければこういう路線のアーティストがいてもいいのではないかと思いますが、いまや誰でも見ることができるインターネット上に、規制なしにアップロードされることには韓国のみならず、問題はあると思います。
規制の厳しい中、セクシー路線で話題を狙うことが一般的だった一時期の韓国女性グループ、かっこよさやかわいさが人気を博すK-POP女性グループの現在を見ると、セクシー路線が大半だった時代は想像もできませんが、
当時はアーティスト自身が抵抗を感じながらも時代の流れから仕方なかったのかもしれませんね。