2023年、麻薬投薬疑惑に突然の自決で世間を驚愕させた、アカデミー賞俳優のイ・ソンギュンさん。その彼に14年間連れ添い、芸能界を代表するおしどり夫婦と言われたのがチョン・へジンさんです。
「イ・ソンギュンさんの妻」というのが先行し、経歴や実力のわりには女優としての知名度が夫に比べて低いようです。
そこで今回は、改めて彼女のプロフィールや出演作品、イ・ソンギュンさんとの馴れ初めなどをご紹介したいと思います。
チョン・へジンはどんな人?
チョン・へジンさんは、1976年8月10日 ウルサン広域市生まれの48歳(2024年現在)。
俳優イ・ソンギュンさんの妻で、幅広い演技と存在感のある個性派女優です。映画や演劇を中心に活動しており、演劇俳優としては「大学路のチョン・ジヒョン」と呼ばれるほど有名です。
1997年のミス・コリア慶尚南道予選大会で入賞すると、翌1998年の映画「殺す話」で女優デビューします。
2002年のドラマ「勝手にしやがれ」でもデビューを果たすと、2004年の大ヒットドラマ「ごめん、愛してる」に出演したことで、広く知られるようになりました。
また2009年、イ・ソンギュンさんとの結婚・出産で一時女優業を休止しましたが、2013年の映画「テロ、ライブ」で復帰。そして、2015年の映画「王の運命」のヨン妃役で、青龍映画賞・最優秀助演女優賞を受賞しました。
その後2018年には「ミスティ〜愛の真実〜」でドラマ出演すると、2019年には、「恋愛ワードを入力してください」で、線の太い演技で強い存在感を示し人気を博しました。
その他にも、2020年のドラマ「秘密の森2」や、映画「白頭山大噴火」など数々の人気作品に出演しています。
40本近くのドラマや映画に出演していますが、主に現代劇でキャリアウーマンなどの演技をよく見せています。
夫婦円満を渇望する演技や馬頭演技が見事で、「名もなき野良犬の輪舞」などで見せた演技を見ると、目下の人には優しく、目上の人には皮肉を言って食ってかかる姿が印象的です。
出演作品について
チョン・へジンさんが出演した人気ドラマから、お薦めの3作品を選びご紹介します。
一作目は、 2004年公開の「ごめん、愛してる」です。自らの出生の秘密を知り、母への復讐を誓った男の濃密で切ないラブストーリーです。
あの「冬のソナタ」を凌ぐ大ヒットを記録し、ソ・ジソプさんとイム・スジョンさんを、大ブレイクに導いた韓国ドラマ史上に名高い名作です。
チョン・ヘジンさんは本作の中で、主人公ムヒョクの双子の姉ですが、5歳のときに交通事故に会い、以来知能の発達がないという難しい役を演じています。
幼い頃オーストラリアへ養子に出されたものの、養父母にも捨てられ、ストリート・チルドレンとして育った、ソ・ジソブさん演じるチャ・ムヒョク。韓国に戻ると、彼の出生にまつわる事実を知り、そこから運命的な復讐劇が始まります。
一方で、イム・スジョンさん演じるウンチェには、想い続けてきた、チョン・ギョンホさん演じるユンがいました。
ところがある日、ユンのマネージャーだという、最悪な男が彼女の前に現れます。身勝手でマナーなどとは縁がなく、うんざりしながらも彼から目が離せなくなります。
見所の一つはストーリー性にあります。複雑な人間関係を丁寧に描いており、愛、憎しみ、裏切り、許しなど、様々な感情が入り混じったストーリー展開に、視聴者は釘付けになります。
また、映像美にも定評があります。美しいロケーションで撮影されており、その映像は視聴者の心を魅了します。更に、音楽もドラマに花を添えており、視聴者の感情を揺さぶります。
二作目は、2019年公開の「恋愛ワードを入力してください」です。ポータルサイトという一風変わった題材をテーマにし、三人のバリバリのキャリアウーマンが、それぞれの仕事や生き方を通して、自分たちの恋愛に立ち向かっていく姿を描いたドラマです。
韓国最大級のポータルサイト「ユニコーン」のサービス戦略本部長である、イム・スジョンさん演じるペ・タミはある日、証人として聴聞会に出席させられます。
それは、彼女が全信頼を寄せていた理事の、チョン・ヘジンさん演じるガギョンによる指示により、トレンドを操作した疑惑が掛けられたためでしたが、結局それを認めてしまいます。
こうして、ガギョンはペ・タミに全責任を押し付け、ペ・タミをユニコーンから解雇してしまいますが、そんなペ・タミを国内第2位の「Baro」が雇うことになります。
見どころは、「ポータルサイト」という、今までのドラマでは見たこともない新鮮な題材を扱っている点です。
また、三人の主人公の恋愛が描かれていますが、甘々な展開ではなく、彼女たちが恋愛と仕事に真剣に向き合う姿や、大事にしていた仕事が政治利用されることに対して抵抗するところが見どころです。
三作目は、チョン・ヘジンさんが主演した、2023年公開の「ラブ・パッセンジャー」です。自由気ままな母親とクールな娘の恋愛事情を描いた同居物語です。
チョン・ヘジンさん演じるウンミは、高校生の時に娘の、スヨンさん演じるジニを出産し、女手一つで育ててきました。一方、警察官となったジニは、ひょんなことから町の交番へ異動を命じられます。
母と娘でありながら、姉妹に間違われることも多いウンミとジニは、衝突することも多く、親子だけれど、どこかよそよそしい関係です。
しかし、孤独を感じていない彼女達には、どうやらそれぞれ愛する人がいるようでした。
自由奔放な母と、そんな母の保護者役として振り回されている、クールな娘のコミカルな関係が面白いと評判です。また程よい下ネタも入りつつ、ぶっ飛んだシーンが度々登場し、一度見出したら笑いが止まりません。
単に、母子の在り方やそれぞれの恋愛事情を描いているだけでなく、「児童虐待」、「家庭内暴力」、「ストーカー行為」などの一連の事件も展開され、観客を引き込みます。
そして、ウンミをずっと追いかける謎の男という未解決事件が含まれ、その展開を楽しみながら謎を推理して楽しむことも出来ます。
イ・ソンギュンとの馴れ初めは?
イ・ソンギュンさんは1999年にデビュー。その後、ドラマ「パスタ〜恋が出来るまで〜」や「マイ・ディア・ミスター〜私のおじさん〜」、映画「火車 HELPLESS」、「キリング・ロマンス」など多数の作品に出演しています。
2019年には、カンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールを受賞した、ポン・ジュノ監督の「パラサイト 半地下の家族」で主演を務め、世界的に名をとどろかせました。
二人の馴れ初めは、イ・ソンギュンさんがまだ無名だった頃に、チョン・ヘジンさんの熱烈なファンだったことから始まっているようです。
珍しい才能の女優なので会ってみたいと思い、彼女の舞台をよく観に行ったといいます。
そんな時に、友人が彼女と同じ劇団に入って仲良くなったことから、友人に頼み込んで会う機会を持つことができたそうです。そこからイ・ソンギュンさんが積極的にアプローチして交際が始まりました。
そして二人は、交際期間7年を経て、2009年5月に結婚します。また、2009年11月には長男のイ・ルク君が誕生し、2011年8月には次男のイ・ルン君が誕生しています。
現在の活動は?
2023年、夫のイ・ソンギョンさんが、麻薬投薬疑惑で警察の調査を受けているさ中、突然自殺するという悲劇に見舞われた、チョン・ヘジンさん。
まだそのショックから抜け出せてないと思われます。次回作の検討もしているようですが、具体的なところは判っていません。
しかし、所属事務所HODU&Uエンターテインメントの旧正月を迎えた集合写真で、センターとして写り、存在感を誇示していますので、イ・ソンギュンさん亡き以降、今後も芸能活動を続けていく決意が現れているように感じました。
チョン・ヘジンさんも重要なキャストとして出演し、2024年2月に公開が予定されていた娯楽アクション映画「クロス」は、イ・ソンギュンさんの訃報による、様々な状況を考慮し、公開延期が決定されたと言われています。
またもう一つ、チョン・ヘジンさんがスパイアクションに初挑戦した映画「ハント」は、2023年9月に公開されました。
イ・ソンギュンさんの死亡だけでなく、世間の様々な雑音で気苦労が多いと思われる、チョン・ヘジンさんに、視聴者やファンは熱い応援を送っているに違いありません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、イ・ソンギュンさんの妻のチョン・へジンさんについてご紹介しました。
交際期を含めると、実に22年間も連れ添った二人は、まさに芸能界を代表するおしどり夫婦だったと言えますが、それだけに、イ・ソンギュンさんの自決は残念でなりません。
チョン・へジンさんが、一刻も早く立ち直り、また個性的な演技を見せてくれることを祈ります。