2024年5月7日に開催される第60回百想芸術大賞は、韓国のゴールデングローブ賞ともよばれる権威ある賞レースです。
そのノミネート作品は4月8日に発表されたばかりで、世界的大ヒット作「ムービング」をはじめ、「良くも、悪くも、だって母親」「恋人」などが多部門にノミネートされた注目作となります。
今回は、テレビ部門の最優秀演技賞にノミネートされた女優5名を紹介したいと思います!
ラ・ミラン『良くも、悪くも、だって母親』
不慮の事故により、7歳の頃に戻ってしまったガンホ(#イ・ドヒョン)。記憶を失くしても覚えていたのは、母親のヨンスン(#ラ・ミラン)から繰り返し浴びせられたあの言葉。#良くも悪くもだって母親 #TheGoodBadMother pic.twitter.com/FQSWU8uIqC
— Netflix Japan | ネットフリックス (@NetflixJP) May 20, 2023
ドラマ「良くも、悪くも、だって母親」は、壊れてしまった親子関係が回復していく様を描いたヒューマンドラマです。
このドラマでラ・ミランさんが演じたのは、シングルマザーとして息子を育てるために悪い母親になるしかなかった女性という役柄です。
息子にありとあらゆるものを規制して育てたことで優秀な検事となりますが、そんな母親の言う通りに育てられたことを憎んでいた息子は、独り立ちした途端に母親から離れていきます。
女手一つで息子を育て、生活のために周囲から嫌われても豚を飼育し、息子の好きなものを与えず、やりたいこともさせず、息子から嫌われたとしても息子のためになるとして悪い母親に徹する。
その苛烈さは周りから称賛されるようなものではないのですが、息子が大人になった時には分かってくれるのではないかと心を鬼にした母親。
しかし、そんな好都合な展開にはならず、ただ恨まれてしまいます。この複雑な母親役を見事に演じたのが、名バイプレイヤーとしてだけでなく主演としても活躍するラ・ミランさんです。
このドラマは、検事となるも不慮の事故で記憶を失い、子どものようになって戻ってきた息子と再び親子暮らしをしていく様を描くのですが、息子に対して母親がかなり厳しく、見ていて辛くなる場面も何度も出てきます。
しかし、親子のやり取りがかなり重苦しいのに対して、個性豊かな村人たちのお陰でコメディ要素もあり、ロマンスやサスペンス展開もあるためそちらでバランスが取れていました。
コミカルなキャラクターを演じることも多いラ・ミランさんですが、今回は悪い母親役に徹しており、見ていて嫌気が差すほどでした!
アン・ウンジン 『恋人』
ナムグン・ミン主演のロマンス時代劇「恋人」U-NEXTで配信、ヒロインはアン・ウンジン(動画あり)https://t.co/JrG7lWrI7t#恋人あの日聞いた花の咲く音 #ナムグン・ミン #アン・ウンジン pic.twitter.com/7bYI6mpHZQ
— 映画ナタリー (@eiga_natalie) April 19, 2024
人気俳優ナムグン・ミンさん主演の時代劇「恋人」は、丙子(へいし)の乱という戦乱の中で出会った男女の切ない愛を描いたロマンスドラマです。
このドラマでナムグン・ミンさんの相手役を務めたのがアン・ウンジンさんで、「賢い医師生活」シリーズ出演で知名度を高めた近年人気急上昇中の女優です。
先ほど紹介した「良くも、悪くも、だって母親」にもヒロイン役として出演していますが、初の時代劇出演となったのがこの作品です。
このドラマは既に2023年MBC演技大賞8冠など高い評価を得ている作品で、アン・ウンジンさんも優秀演技賞とベストカップル賞を受賞しています。
そんな本作でのアン・ウンジンさんの役柄は、初恋相手が親友と婚約したことを知らされた良家のお嬢様というもので、戦乱の中で出会ったミステリアスな男と何度もすれ違いながらも徐々に惹かれていくようになります。
最初は好きな相手との結婚が夢というごく普通のお嬢様でしたが、そんなお嬢様が戦争によりたくましく成長していく過程もみどころとなっています!
オム・ジョンファ 『医師チャ・ジョンスク』
オム・ジョンファ 主演
Netflix『医師チャ・ジョンスク』
見てて良かった pic.twitter.com/QtmXoO4hQl— pare ʕ•ᴥ•ʔ🦥 (@kura1209JP46ens) June 11, 2023
「医師チャ・ジョンスク」は、オム・ジョンファさんとキム・ビョンチョルさん共演のコメディドラマです。
オム・ジョンファさんといえば、韓国のマドンナ、韓国歌謡界の女王と呼ばれる有名歌手であり、キャリア30年を誇る女優としても知られていますが、そんなオム・ジョンファさんが2023年に主演し大ヒットしたのがこのドラマです。
韓国では18.4%という高視聴率を記録し、あの「梨泰院クラス」を超えるヒット作となった作品で、専業主婦として2人の子育てを終えた46歳の女性が大病したのをきっかけに、かつて諦めた医師となる夢を叶えようと勉強し見事合格するという中年讃歌ドラマになっています。
面白いのが研修医として働く病院には夫が上司として働いており、息子も同僚としているということです。
しかも、夫には病院に長年不倫関係にある相手がいて、息子にも研修医の先輩の恋人がいます。
そんなところにいきなり妻、母親が現れるものだから騒動になるのは当然で、このコントのような状況をコミカルに描き大ヒットしました。
このドラマは医療現場を舞台としていますが、本筋は男尊女卑があたりまえとされている韓国社会の中で、母親が医師を目指し男性忠臣の社会に戻るという点にあります。
夫のために医師となる夢を諦めた女性、子育てのために家に閉じ込められていた母親、そんな妻の状況をいいことに外で不倫をする夫など、韓国社会の問題を描きながらもコメディタッチになっており気楽に見れるのが特徴です。
そんな男尊女卑社会に喧嘩を売るかのようなヒロインとオム・ジョンファさんのイメージがピッタリで、この作品の大ヒット&高評価により50代にして再ブレイクすることとなりました!
イ・ハニ 『夜に咲く花』
【INTERVIEW】
「夜に咲く花」イ・ハニ、産後6ヶ月でアクション演技に挑戦“自分でも手探りだった”▼韓国インタビューhttps://t.co/ZxtL7yCFt7#イハニ #夜に咲く花 #チョ・ヨファ #韓国ドラマ pic.twitter.com/qzXAlYHn7G
— Kstyle (@Kstyle_news) April 14, 2024
時代劇「夜に咲く花」は、イ・ハニさん演じる未亡人の二重生活を描いたアクションコメディドラマです。
大ヒット映画「エクストリーム・ジョブ」や、ドラマ「熱血司祭」「ワン・ザ・ウーマン」などで知られるイ・ハニさんの出産後復帰作であり、昼は未亡人、夜は義賊として人々を助ける二重生活を送る主人公を演じています。
アクションものやコメディ作品に定評のあるイ・ハニさんが、正義感の強いヒーロー役を演じるのに違和感がなく、イケメン従事官から追いかけられたり、当時烈女と呼ばれた未亡人とのロマンスや悪を退治するスカッと爽快な展開もあり、最終回には視聴率22%超えという大ヒットとなったエンタメ時代劇です。
韓国時代劇らしい設定はあるものの、女性義賊が夜な夜な悪を退治するという展開は誰が見ても楽しめるもので、2面性のあるキャラクターやアクションコメディというジャンルとイ・ハニさんの起用が見事にハマっていましたね!
それでいて、生涯亡き夫を思って家にこもっている未亡人を「烈女」として称賛していた、という当時の女性たちの扱いに異を唱える作品でもありましたね。
イム・ジヨン 『庭のある家』
\韓国最高峰のアワード/#百想芸術大賞 でノミネート㊗
『キム・テヒ×イム・ジヨン「#庭のある家」』
🏆テレビ部門 最優秀演技賞 女性:#イム・ジヨン
🏆テレビ部門 演出賞:#チョン・ジヒョンWOWOWでの放送は4/15(月)から📺
番組詳細は▷https://t.co/sr9pxUjpEo引用元の番宣動画もチェック✨ https://t.co/QUKk4aUMT9
— WOWOW海外ドラマ (@wow_kaigaidrama) April 14, 2024
「庭のある家」は、キム・テヒさん、イム・ジヨンさん、キム・ソンオさん、チェ・ジェリムさんら共演によるサスペンスドラマです。
同名のベストセラー小説を原作としたこのドラマは、「裏庭から怪しい匂いがする」というキーワードが指し示す通り、豪邸の裏庭に埋まった遺体を発見したところからはじまる家庭スリラーとも呼べる作品です。
キム・テヒさん演じる豪邸の住人と、イム・ジヨンさん演じる夫からのDVに悩む女性とが出会ったことで隠されていた真実が明らかになっていくというストーリーです。
イム・ジヨンさんといえば「ザ・グローリー ~輝かしき復讐~」での悪女役で世界的にブレイクしたことで知られていますが、本作ではそれとは正反対のDVにより追い込まれた悲しい女性役を演じるという衝撃のイメージチェンジに挑んでいます。
乱れた髪、痩せて目立つ鎖骨と細腕、暴力を受けたことによる黒いあざ、そしてそんな悲惨な見た目とは対照的に膨らんだお腹と、見た目からも女性が置かれた状況が想像できます。
この見事な変身ぶりが高く評価されたイム・ジヨンさんは、昨年受賞した「グローリー」での助演女優賞に引き続き本年は最優秀演技賞を獲得するのかに注目が集まっています!
まとめ
いかがでしたでしょうか?
どの作品も話題作ばかりでノミネートされた女優も実力派揃いですが、そんな中に近年ブレイクしたばかりのアン・ウンジンさんとイム・ジヨンさんが入っているのは彼女たちの演技力の高さが伺えますね。