今や世界中のマラソンランナーに注目され、履かれているナイキの厚底シューズ「ズームXヴェイパーフライネクスト%」。
2019年に開催された東京五輪のマラソン代表選考会を兼ねたマラソングランドチャンピオンシップや、2020年の箱根駅伝でも多くの選手が着用して新記録を連発しました。
しかし、あまりに高いポテンシャルのせいか「ナイキ社の厚底シューズが国際陸連によって禁止となる可能性が高い」といった報道も出ています。
そんなナイキの厚底シューズですが、箱根駅伝で目立っていたのはピンク色のシューズは第3世代であり、東京五輪では第4世代となる超厚底シューズが投入されると言われています。
いったい第4世代の超厚底シューズがどんなシューズなのか気になったので、値段やいつ発売するのか調べてみました。
ナイキ超厚底シューズ【NIKE Alphafly】
The Nike alphaFLY that broke the 2 hour marathon looks a bit crazy.
People say is like running on a trampoline. pic.twitter.com/fJo9hdR0wK
— Dr. Eric Jorde, DPT (@Jorde_DPT) October 25, 2019
NIKEの厚底シューズの第4モデルは既に実用化しており、名前は「Nike alphaFly(アルファフライ)」と言われています。
alphaFlyは現時点(2020年1月)では販売はされておりませんが、プロトタイプが人類史上初めてフルマラソンで2時間切りを達成(非公認)したレースで使用されました。
使用した選手はケニアのキプチョゲ選手。2019年10月12日にオーストリアのウィーンで行われた「イネオス1:59チャレンジ」というイベントで1時間59分40秒という驚くべき記録を打ち立てました。
キプチョゲ選手はもともと素晴らしいマラソン選手であり、2018年には人類で初めて2時間1分台(2時間01分39秒)を出していました。しかしそこから約2分もの短縮ということで、超厚底シューズが2時間切りに寄与したことは想像に難くないですね。
Eiud Kipchoge wore a bespoke version of the Nike Vaporfly trainers – called AlphaFLY – a major innovation in the sport which has seen performances sharply improve……What kind of shoe do you wear? pic.twitter.com/h1Vn93Afvq
— Nancy Agutu (@NancyAgutu) October 14, 2019
Eliud Kipchoge rent snelste marathon mét nieuwste Nike Alphafly. Wonderschoen of klein detail? #Volkskranthttps://t.co/rGXOnr1XnK pic.twitter.com/LOynE4phsO
— TopatletiekLive (@TopatletiekLive) October 18, 2019
アルファフライを履くキプチョゲ選手とヴェイパーフライを履くペースメーカーさんたちは、王様と家来のような構図に見えてしまいますね。
値段や販売時期はいつ?
not a secret anymore: Nike distributing production Alphafly all over Iten, our sport is over as we know it in 2020, this isn’t something anyone can beat via training, peer pressure to mechanical-dope or you can’t compete, not something I want to be a part of 📸Kristian Ulriksen pic.twitter.com/dMJlb7auQZ
— Crazie Daizee (@Crazie_Daizee) January 19, 2020
アルファフライの値段や販売時期については未だ情報はありません。現行モデルのヴェイパーフライの価格が¥30,250(税込)ですので、それ以上の価格が予想されます。
当初ナイキ関係者は「このシューズを履くことができる選手は、現時点でキプチョゲだけ。次に東京五輪前に五輪ランナーだけに供給する。東京五輪が終わった後に五輪選手以外のエリートランナーに供給する予定」と明かしていたとのことで、一般販売されるとしたら2020年末~2021年頃になるのではないでしょうか?
しかし、選手への供給は前倒しとなる見込みで、2020年3月1日の東京マラソンで日本人選手が使用する可能性が出てきました。
アルファフライは2月中旬以降、大迫傑選手や設楽悠太選手らナイキのシューズを使用するトップ選手に供給され、現行モデルのヴェイパーフライと比較し、アルファフライが優れていると判断した選手は使用することになるようです。
アルファフライ&ヴェイパーフライの違いは?
出典:https://www2.u-trail.com/nike-alphafly/
ヴェイパーフライ (厚底) |
アルファフライ(プロトタイプ) (超厚底) |
|
前足部 | 32mm | 42mm |
かかと | 40mm | 51mm |
落差 | 8mm | 9mm |
アルファフライでは靴底の厚みがさらに増し、ヴェイパーフライよりもさらに10mm厚底となっています。
アルファフライの特徴は前足部に伸縮性繊維の束が入ったクッションポッドがあることで、これにより衝撃を吸収する能力が向上しています。
また、シューズの核となる反発力を生み出すカーボンプレートはヴェイパーフライが1枚に対し、アルファフライが3枚入っているとされています。
Las #Nike Nike Alphafly👟 no están en el mercado..😭 las hicieron especialmente para #Kipchoge🏆 ¿qué pagarías por ellas si te consiguieran el tiempazo de 1h59 en maratón?
¿Revolución o ventaja?👉https://t.co/nnuEVE5A1C🖱@as pic.twitter.com/mIXF76GjRO— carreraspopulares (@CPpuntocom) October 16, 2019
世界陸連のランニングシューズに関する新規則
2020年1月31日、世界陸連はナイキのランニングシューズ「ヴェイパーフライ」は五輪などの国際大会での使用が認めらるとの判断を下しました。
「ヴェイパーフライ」を使用した選手が、マラソンなど長距距離界で新記録更新を続出させていたことから、今回のシューズに関する規則の修正が行われました。
世界陸連は同時に、「最近のシューズの技術発達でスポーツの公正さが脅かされかねないとの懸念が生じる十分な兆候がある」として、シューズの構造で幾つかの新たな制限を公表し、さらに制限が必要か研究を続けるとしています。
- シューズに炭素繊維の複数のプレートが入っているものは認めない
- 靴底の厚さは40ミリを超えてはならない
従って、ナイキの市販されているヴェイパーフライは2つの基準を満たしていることになります。
Nike Zoom Alphafly NEXT% が発売日が発表!
【発売へ】ナイキ エア ズーム アルファフライ ネクスト%/ Nike Air Zoom Alphafly NEXT% https://t.co/Gv0UofBseV pic.twitter.com/A6VYKsbZeV
— Sneaker GPS (@sneakergpsjp) February 6, 2020
2020年2月6日、ナイキは厚底シューズの新モデル(エアズームアルファフライネクスト%)を2月29日から発売すると発表しました。
報道によると、ヴェイパーフライの底の厚さは37mm、アルファフライの底の厚さは39.5mmであり制限である40mmギリギリの厚さとなっており、ランニング効率も上昇しているとのこと。
キプチョゲ選手がマラソンで2時間を切る時に着用したアルファフライのプロトタイプは厚さ42mmとの情報がありましたので、規制に合わせてナイキが修正したのかもしれません。
また、カーボンプレートの枚数もプロトタイプが3枚とされていたいのに対し、1枚になっています。
まとめると
ヴェイパーフライ | アルファフライ | アルファフライ プロトタイプ |
|
厚さ | 37mm | 39.5mm | 42mm |
プレート枚数 | 1 | 1 | 3 |
ランニング効率 | 4-5%改善 | 7〜8%の価値 があるかも |
– |
価格 | ¥30,250(税込) | 税別3万円程度 | – |
東京五輪の使用 | 可 | 可 | 不可 |
今回されたアルファフライは2020年3月1日の東京マラソンで男子マラソン日本記録保持者の大迫傑さんが使用する見込みです。
日本新記録を出して1億円の報奨金と、五輪代表の座をゲットできるのか、大変注目されます。
東京マラソン2020・大迫傑がアルファフライで日本新
日本新・大迫傑の足下はナイキの厚底新モデル 東京マラソンhttps://t.co/JIBef8wVlx
→本人は「新しいシューズもできたので、それが順位につながったと思う」と振り返る
— 産経ニュース (@Sankei_news) March 1, 2020
2020年3月1日に開催された東京マラソンで大迫傑選手が自ら持つ日本記録を更新する
2時間5分29秒の日本新記録で日本人トップの4位という素晴らしい成績を収めました。