2018年に韓国で起きた「N番部屋事件」という悪質なデジタル性犯罪が世間を震撼させてましたが、韓国では最近、新たなデジタル性犯罪が問題視されています。
K-POPアイドルまでもが標的となっている、その名も「RPS(アルペス)」です。RPSという言葉を初めて聞く方も多いかも知れませんね。
そこで、アルぺスとは一体何か、対象とされているアイドル達はどう思っているのか、詳しく解説していきたいと思います。
RPS(アルペス)とは？
RPSは「Real Person Slash」の略で
K-POPアイドルをはじめとする芸能人や著名人を素材にして、ファンが作成した小説や漫画などの性的・同性愛コンテンツ「ファンフィクション」の事を指し、男性アイドル二人をカップルにした内容が大半で、現在、問題になっています。
数十年前から韓国で存在しており、元々はファンの妄想に過ぎないファンの裏文化の1つとされていました。
ファンたちがフィクションを書いて、それを共有しながら楽しみ、拡大していきました。
日本でもTwitterに＃〇〇で妄想(〇〇にはK-POPアイドルグループ名)というハッシュタグがあるように、ファンがK-POPアイドルで妄想した話を公開することがありますよね。
それと似たような内容をイメージしていただければ、わかりやすいと思います。
しかし、最近は未成年者も多いアイドルを素材にした内容は過激なため、問題視されるようになってきました。アルぺスの内容がエスカレートしており、ファン文化では片付けてはならないと言われるようになってきているからです。
以前までは事務所も黙認している部分もあり、公に議論されることはありませんでした。
韓国ドラマでアルぺスの話題が登場するシーンもあるほどで、2012年放送の韓国ドラマ『応答せよ1997』も人気番組でした。
応答せよ1997
見終わったけど、最高すぎた、
ただの恋愛ドラマじゃない#応答せよ1997 pic.twitter.com/eK1mFTU7xO— 凛 (@rrriN_jib) April 8, 2020
RPSが韓国で話題になっている
韓国大統領府は、国民からの請願を受け付けるインターネット掲示板『国民請願掲示板』を運営していますが、そこに2021年1月11日、「未成年男性アイドルを性的玩具にするアルペス利用者たちを強力に処罰してください」というタイトルの書き込みが投稿されました。
この請願は2日間で約12万人の支持を得て、2021年7月までの支持者数は約22万人にも上ります。
これに対して国会議員のハ・テギョンは、個人的にアルぺスを楽しむことを止めるのは難しいが、アルぺスというわいせつ物の売買市場が形成されているのは問題であり、アルぺスはデジタル性犯罪として規制すべきだという立場を取りました。
ファンから自身がアルぺスの素材になっていることを知ったラッパーのソン・シンバはアルぺスについて言及しており、「RPSは第2のN番部屋事件であり、放置してはならない社会問題である」と訴えました。
引用元：https://mottokorea.com/
連休ですもの。今朝も朝からウンジウォンです。ステージでのジウォニ、客席に向ける眼差しの優しさ문득 #sechskies #eunjiwon #젝스키스 #은지원 #ONFIRE pic.twitter.com/AlWksv1Zx0
— tama yoshino (@tokyotowerlover) July 23, 2021
また、アイドルメンバーであるジェックスキスのメンバーであるウン・ジウォンはテレビ番組で「すごく恥ずかしくて他のメンバーと目を合わせることができなかった」と語ったことがあります。
ラッパーのBewhy、ラジオ番組での不適切発言＆不誠実な態度を謝罪と共に悪質なコメントを書き込んだ人たちを法的対応へ。。 https://t.co/VFNXfrPgMf
速報ランキング⇒ https://t.co/mc9qWC6Zcw pic.twitter.com/VGELxFL2Ow
— 韓流ツイッター (@kor_celebrities) January 17, 2021
ラッパーのBewhyも「これは深刻な性犯罪。アルぺス利用者たちを厳しく処罰してほしい。」と Instagramにアップして訴えました。
そのため、現在の韓国では、アルぺスはわいせつ物流布罪、名誉毀損、性搾取として処罰すべきだという認識が強まっています。
今まで所属事務所はアルぺスについて黙認してきました。なぜなら、このようなファンの裏文化が新しいファンを増やすと考えていたからです。
ファンの中で人気のカップルを番組で隣同士に座らせて、話題にあがるような構成にしたり、大手芸能事務所のSMエンターテイメントでは、「ファンフィクション公募展」を開催し、小説を上手く書いた人に賞を与えたりもしていました。
しかし、インターネットやSNSで簡単に検索もできて、拡散もしていきます。内容もだんだん過激になってきているため、これ以上容認するのは無理の状態となってきているのです。
BTSも被害者なの？
BTSも被害者になっています。
BTSがアルぺスの餌食になっていることは、所属事務所も把握しており、ファンコミュニティープラットフォームであるWeverseにて「アーティストの権利侵害に関する法的対応の進行状況」という声明を出しました。
その内容は、
「BTSに対する名誉毀損、侮辱、セクハラ、虚偽事実、悪意的誹謗などを盛り込んだ悪質な刑事物の作成者を対象に、定期的な法的対応に乗り出しています。これと関連した進行状況を申し上げます。
コミュニティ、ブログ、SNSなどで単純な意見表現を超え、社会的に容認されないレベルの悪質なコメントや掲示物などを持続的に作成したり流布した人々を対象に、名誉毀損罪および侮辱罪などの疑いで告訴措置を完了しました。」
さらには、
「従来の告訴案件の中で、最初の告訴状の手続きをした後、翌年に被疑者の所在が不明で起訴中止になりましたが、約1年後に被疑者の所在地が再び明らかになり、補完捜査要求の処分が決定された事例がありました。
また掲示処分が完了した件については、民事上の損害賠償請求の手続きをしました。」
とも言っていました。
このように所属事務所はBTSの権益保護のために、RPSを徹底的に排除しています。
RPSについてテテが苦言？
この投稿をInstagramで見る
所属事務所がアルぺスについて処罰する声明を出したWeverseにて、テテがアルぺスに関連したファンの発言に対して釘を刺したことがあります。
テテがWeverseに「眠れなくて早く寝れる方法を知りたい」と書き込んだところ、ファンの1人が「テヒョンが愛するジョングクの写真を見るのがいい」と回答しました。
しかし、テテはその書き込みに対して「妄想から抜け出して。そんな妄想は良くない」と書き込みました。
テテとジョングクはその仲の良さから「ググテテ」という愛称で呼ばれています。
現在は一連のやりとりは削除されてしまっていますが、このエピソードからテテが自分たちBTSがアルぺスの素材になっていることを知っていて、やめてほしいと思っていたことが伺えます。
家族同然の大切なメンバーとのスキンシップを同性愛と解釈され、アルぺスの素材にされるのは遺憾ですよね。
テテがやめて欲しいと言ってるのにオープンでrps呟く人を私はファンと呼ばない。だってそうでしょ、嫌だって言ってるのにするんだったら嫌がらせと同じ。鍵つければ解決する話なのに、そのワンタッチも出来ない理由がわからない。
— Hamster1204 (@Hamster120420) November 9, 2020
rps呟いてる人気をつけろよ…もしくは○○は付き合ってるとか、、鍵垢でやれ
テテ嫌だっていってんじゃん、、(weverseより)— /美moon ⟬⟭ (@0613_btslys) November 19, 2019
まとめ
ここまでアルぺスについて解説してきましたが、みなさんはどのような考えを持たれましたか。
応援しているアイドルにファンの言動がきっかけでつらい思いをしてほしくありません。
ファンだからといって、アイドルやアーティストなどが不快な思いをしてしまうコンテンツを消費するのは良くないですよね。デジタル性犯罪にあたるため、規制・処罰すべきだと言われるならなおさらです。
ファンはもっと健全な応援の仕方をしていかなければいけませんね。
