アジア太平洋スターアワード（APAN STAR AWARDS）は、韓国芸能マネジメント協会が主催し、韓国テレビにおいて卓越した人物や作品、ならびに韓流に貢献した人物に対して贈られる賞です。
受賞候補者は、3大放送ネットワーク（KBS、MBC、SBS）とケーブルチャンネル（tvN、JTBC、OCN、MBN、朝鮮放送）で放送された、韓国ドラマから選出されます。
今回は、2022年8月〜2023年10月までに放送・配信された、韓国内のすべてのドラマ作品を対象として、2023年のAPAN STAR AWARDSとして、大賞や各部門の最優秀演技賞を受賞した俳優を紹介します。
大賞 ジュノ
最初にご紹介するのは、JTBCドラマ「キング・ザ・ランド」で主役を演じ、「大賞」を受賞した、2PMのジュノさんです。
ちなみにジュノさんは、ファンたちの投票で選ばれた「人気賞」、「グローバルスター賞」、「ベストキャラクター賞」、「ベストカップル賞」も併せて、計五冠を手にしました。
本ドラマは、2023年6月17日から8月6日まで、JTBCで放送。
NetflixグローバルTOP10でテレビ部門1位を3回記録し、韓国内外で大ヒットしています。特にジュノさんは幅広い演技力で現代劇ラブコメの男性主人公として活躍し、最高視聴率14％達成の立役者となりました。
高級ホテルを舞台に、後継者争いに巻き込まれた御曹司と笑顔を絶やさないホテルウーマンの恋物語を描いています。W主演を務めたジュノ(2PM)さんとユナ(少女時代)さん のほか、ベテランから若手まで、幅広い層のキャストも見応えがあり、人気を博しました。
ラブコメ王道のストーリーですが、ある理由から「笑顔を軽蔑する」ホテルの御曹司と、仕事柄「笑顔を要求される」平凡なホテリエという、正反対の二人が本当に明るく笑える日々へ向かう姿が、ユーモラスでロマンティックに描かれています。
そんなジュノさんは、1990年1月25日 ソウル市生まれの34歳(2024年現在)。
2008年に、2PMのメンバーとしてデビューすると、2013年には「監視者たち」で映画初出演を飾り、2015年、「二十歳」で映画初主演を果たします。
そして2017年、「キム課長とソ理事」での演技が評価され、同年のKBS演技大賞で、「中編ドラマ優秀演技賞」を受賞。また同作品でナムグン・ミンさんと「ベストカップル賞」も受賞しました。
その後2021年、「赤い袖先」で、「MBC演技大賞」の「最優秀演技賞」と、イ・セヨンさんとの「ベストカップル賞」を受賞しています。
中編ドラマ部門 男性最優秀演技賞 リュ・スンリョン
続いてご紹介するのは、動画配信サービス・ディズニープラスのオリジナル作品「ムービング」での激しいアクションシーンで注目を集め、「中編ドラマ部門 男性最優秀演技賞」を受賞したリュ・スンリョンさんです。
本作品は、韓国の人気ウェブ漫画「ムービング」を実写化したドラマです。
韓国ドラマ歴代最高の約650億ウォンの制作費が投入されました。超能力を隠し暮らす子供たちと、つらい過去を胸に秘め生きてきた親たちが、時代を超えて、迫り来る巨大な危機に立ち向かう、超能力ヒューマン･アクションシリーズです。
本ドラマが進行するテンポはとても心地良く、また各キャラクターたちを深く掘り下げているので、存在が身近に感じられます。それは、能力者たちを「普通の人々」として、心情を丁寧に描き出し、共感を誘う場面が多かった米国ドラマ「HEROES」を彷彿とさせます。
受賞したリュ・スンリョンさんは、 1970年11月29日 舒川郡生まれの54歳(2024年現在)。
演劇でキャリアを積み、2004年、「小さな恋のステップ」でスクリーンデビューします。以降、2006年の「熱血男児」、2007年「ファン・ジニ」、2010年「シークレット」といった作品で、バイプレイヤーとして活躍しました。
そして、2011年の「神弓-KAMIYUMI-」では青龍映画賞の助演男優賞を受賞し、2012年「王になった男」では、王の影武者を教育する長官役で存在感を放ちました。
またドラマでも、2007年の「風の絵師」や、2010年「IRIS-アイリス-」などで活躍しています。
中編ドラマ部門 女性最優秀演技賞 オム・ジョンファ
三人目にご紹介するのは、JTBCドラマ「医師チャ・ジョンスク」で主役を演じ、「中編ドラマ部門 女性最優秀演技賞」を受賞したオム・ジョンファさんです。本作で、2児の母で46歳の研修医が、肝臓病を患ってから第二の人生に挑戦する役を演じました。
本作品は、2023年4月15日から同年6月4日まで放送されたテレビドラマで、視聴率は、「梨泰院クラス」を追い越し、「夫婦の世界」、「財閥家の末息子」、「SKYキャッスル」に次いで、JTBCの中で歴代4位。
共感できる要素がたっぷり入っており、声を出して思いっきり笑い、主人公を応援したくなるドラマです。また医療系ドラマでありながら、不倫や離婚を愉快に見ることができる珍しいドラマでもあります。
受賞したオム・ジョンファさんは、1969年8月17日 堤川市生まれの55歳(2024年現在)。1989年にMBC合唱団へ入団すると、1993年、映画「風の吹く日はアックジョンへ行かなくちゃ」でデビュー。挑発的でセクシーな美しさをアピールして注目されます。
また1996年に歌手デビューすると、1997年に発表した「裏切りのバラ」で、各音楽チャートの1位を独占しました。彼女独特のファッションは同世代女性の関心を集め、ファッションリーダーとしても位置を確立し、まさに韓国のマドンナ的存在となりました。
2002年以降は、毎年映画やドラマに出演し、2013年の映画「悪魔は誰だ」では、大鐘賞の主演女優賞を受賞しています。
長編ドラマ部門 男性最優秀演技賞 コ・ス
四人目にご紹介するのは、tvN「ミッシング2〜彼らがいた〜」で主役を演じ、「長編ドラマ部門 男性最優秀演技賞」を受賞したコ・スさんです。
本作品は、霊魂の村に住む成仏できない死者のため、二人の男が事件解決に奔走するミステリーファンタジードラマで、コ・スさんは、幽霊を見ることができる、正義感の強い詐欺師を演じています。韓国で、2022年12月から2023年1月まで放送されました。
見どころは、事件の背景にある人間模様や、切なくも温かいストーリーで、コ・スさんのお人好しな詐欺師役はシーズン1そのままで、前作からイメチェンしたビジュアルにも注目です。
受賞したコ・スさんは、1978年10月4日 論山市生まれの46歳(2024年現在)。広告モデルとして活動を始め、1999年のシットコム「ジャンプ」で俳優デビューします。
その後2001年の、代理母や男尊女卑問題をテーマにしたドラマ「母よ姉よ」に出演し、MBC演技大賞・新人賞を受賞。2005年には、陰謀で犯罪の汚名を着せられた男の壮絶な報復劇を描いた「グリーンローズ」で、一躍人気俳優の仲間入りを果たしました。
また2016年の「オクニョ 運命の女（ひと）」で時代劇に初挑戦し、復讐心を秘めた商団の男を好演しています。映画界でも活躍し、数々の演技賞を受賞するなど、実力派俳優として着実に評価を高めています。
最近でも、2020年のミステリーファンタジードラマ「ミッシング：彼らがいた」や、金融スキャンダルの中で厳しい死闘を描く「マネーゲーム」に出演するなど、今後の活躍から目が離せない俳優です。
長編ドラマ部門 女性最優秀演技賞 イ・ソンギョン
最後にご紹介するのは、ドラマ「浪漫ドクターキム・サブ3」で、不器用で努力家の胸部外科専門医チャ・ウンジェ役を演じ、「長編ドラマ部門 女性最優秀演技賞」を受賞したイ・ソンギョンさんです。
本作品は、地方にある病院を舞台に、「神の手」を持つ型破りな天才外科医キム・サブと、彼の元で奮闘する若き医師たちの成長を描いたメディカル・ヒューマンドラマです。
3年2か月ぶり公開のシリーズ3作目は、最高視聴率17％を記録しました。
韓国ドラマ愛好者のなかでも特に人気の高い本作は、人生ドラマとして愛される名作。シーズン3では、新たな顔ぶれも加わり、各々が心に抱える過去の傷跡や、日々の葛藤が映し出され、これまで以上に熱いストーリーです。
また、本作中で圧倒的な存在感を示すハン・ソッキュさんの演技力には、心が震えます。そのオーラは唯一無二と言えます。
受賞したイ・ソンギョンさんは、1990年8月10日 コヤン市生まれの34歳(2024年現在)。2009年に、アジア太平洋スーパーモデル選抜大会に出場し、「ユニックスヘアーニュースタイル賞」を受賞。以降、ショーや雑誌のモデルとして活躍します。
また、2014年、ドラマ「大丈夫、愛だ」で、演技に初挑戦すると、2015年、ドラマ「女王の花」でヒロインに抜擢され、安定した演技を見せ、MBC演技大賞の新人賞を受賞。
そして2016年に主演したドラマ「恋のゴールドメダル〜僕が恋したキム・ボクジュ」では、役柄のため体形が変わるほど増量し、MBC演技大賞・優秀演技賞を受賞しました。
更に2020年には、「浪漫ドクター キム・サブ2」に新キャストとしてレギュラー出演し、エリート胸部外科医チャ・ウンジェ役を演じて「SBS演技大賞・女性優秀賞」を受賞しました。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「恋人」のナムグン・ミンさんや、「財閥家の末息子」のソン・ジュンギさんなどそうそうたる顔ぶれを抑え、「大賞」の栄誉に輝いたほか、計５冠を獲得したジュノさんの強さには驚きましたね。
また、受賞時のスピーチ「人生は短く、感情は無限だから、皆さんが感じる喜怒哀楽を我慢せず、健全な方法でお互い分かち合いましょう」は、何と格調高い内容でしょうか。まさに「大賞受賞者」に相応しいスピーチですね。
