ロマンス、ミステリー、アクション、横浜を舞台にしたドラマは数多くありますが、皆さんは「大追跡」というドラマをご存知ですか?
「大追跡」は1978年4月4日から9月26日にかけて放送された刑事ドラマ。横浜を舞台に、県警直轄の特殊捜査チーム「遊撃捜査班」の活躍を描いたアクション作品です。
悪がはびこる犯罪都市に集められた5人の刑事たちの活躍を描くアクションドラマ「大追跡」。
今回はこの「大追跡」に出演した女優・俳優の皆様の現在に迫ってみたいと思います。
大追跡はどんなドラマ?
ノリ・勢い・爽快感…
アクション刑事ドラマの醍醐味‼︎‼︎
『大追跡』遊撃捜査班のハイエナたち♪ pic.twitter.com/rVFwKeKlz0
— 昭和太郎 (@RS3526) May 11, 2020
「大追跡」は加山雄三さんを主演とする刑事ドラマ。警察組織から逸脱したような人材が集められた「遊撃捜査班」という部署を舞台に、検挙率をあげなければその部署は即時廃止という運命のもとで犯罪に挑む5人のはみ出し刑事の活躍を描きます。
同僚からハイエナのように嫌われながらも、犯罪者との孤立無援の戦いに挑む刑事たちの物語「大追跡」。アクション、そして人間ドラマなどの要素が盛り込まれ、独特の作風を持った作品になっています。そして、派手なカーアクションも魅力の一つです。
「大追跡」は初回が19.5%、第21回では22.3%という視聴率を記録しました。また、後に「あぶない刑事」でブレイクする柴田恭兵さんがはじめて連ドラレギュラーとして出演しているのも見どころの一つ。オープニングのスピード感あふれる映像もカッコいいです!
刑事ドラマ「大追跡」OP 動画
新田(加山雄三)
水原(藤竜也)
矢吹(沖雅也)
滝本(柴田恭兵)
結城(長谷直美)
遊撃捜査班の面々渋いOPナレーションは後の紅の豚で
お馴染み森山周一郎音楽は同時期ルパン三世2期の
音楽も担当していた大野雄二#大追跡 pic.twitter.com/Cm3n7g6EV1— shigoshigoon (@shingooon7) July 5, 2019
出演者の現在は?
横浜を舞台にした刑事ドラマ「大追跡」。
出演していた女優・俳優の皆様の現在に迫ってみましょう。
加山雄三(新田英一)
『大追跡』第9話より。
加山雄三・藤竜也・沖雅也・柴田恭兵・長谷直美。
刑事部屋でメンバー全員がイイ感じに収まってる画がたまらなく好き! pic.twitter.com/u0H8MGZDij
— 昭和太郎 (@RS3526) November 18, 2020
遊撃捜査班班長・新田英一を演じた加山雄三さん。日本を代表する俳優、シンガーソングライターです。ピアノ、ウクレレ、そして画家としても活動しています。作曲家としてのペンネームは弾厚作(だんこうさく)。
加山雄三さんの人気を決定付けたのは映画「若大将シリーズ」。このシリーズの「エレキの若大将」の主題歌として発売された「君といつまでも」は350万枚を売り上げる大ヒットとなります。一方、黒澤明さん、岡本喜八さんなどの名匠の作品にも多く出演しています。
パシフィックホテル茅ヶ崎の倒産により、巨額の借金を抱えたり、女優・松本めぐみさんとの結婚で世間を騒がせたり、そして「若大将シリーズ」の低迷により映画出演の減少など、不遇な時代もありましたが、がんばりぬいて、借金も10年で完済してしまいます。
その後はテレビを主な活動の場にして、バラエティ「みごろ!たべごろ!笑いごろ!」ドラマ「大追跡」「江戸の旋風」に出演。歌手としても活動しています。紅白歌合戦の司会を務めた際には、少年隊の「仮面舞踏会」を誤って「仮面ライダー」と紹介してしまいました!
【愛する楽器】加山雄三、愛用エレキギターを語る|“エレキの若大将”の一途な楽器愛「フェンダーとモズライトしか知らないよ」https://t.co/D6B9QTkBti#愛する楽器 #加山雄三 #若大将 #エレキ #ギター #Fender #Mosrite
— 音楽ナタリー (@natalie_mu) May 30, 2020
加山雄三さんはミュージシャンとしても、桑田佳祐さん、山下達郎さん、など、多くの人たちに敬愛されています。特にTHE ALFEEとはシングルを共作したり、ステージをともにしたことも。その後もフジロックフェスティバル出演を果たしています。
加山雄三さんは2020年、小脳出血で倒れた後、後遺症でうまく話すことができなくなってしまいました。もしかしたら歌が歌えなくなるのでは?という危機感を持っていたそうです。しかし、およそ半年間のリハビリを経て、2021年、若大将は復活を遂げます。
どん底に落ちた若大将・加山雄三さんでしたが、その時支えになったのは、今まで自分が関わってきた人たちへの感謝と必ず復帰するという責任感だったとおっしゃっています。リハビリの効果もあり、また歌えるようになったそうです。
神奈川県茅ヶ崎市にある「加山雄三通り」に加山雄三さんの深みのある声が響き渡りました。これは過去の音声データをもとにAIに学習させた合成音声を使って、市役所やスーパーのアナウンスを加山雄三さんの声にしてしまうというプロジェクト。地元では大受けです。
この投稿をInstagramで見る
藤竜也(水原 慎介)
大追跡の藤竜也がカッコいい🎵 pic.twitter.com/bSlvv8PDOt
— 帰ってきたパンク (@rbFjHETBqGz3Mrh) May 29, 2021
型破りな巡査部長・水原慎介を演じた藤竜也さん。日活の俳優としてスタートしますが、1973年、ドラマ「時間ですよ」で演じた謎の男・風間役で静かにブレークし、翌年、「花一輪」で歌手デビューも果たします。
その後も「悪魔のようなあいつ」「ミセスとぼくとセニョール」などでお茶の間的人気を獲得します。そして1976年、大島渚監督の「愛のコリーダ」に出演。迫真の演技が大きな話題となりました。
ドラマ「大追跡」以降も「プロハンター」「特命刑事ザ・コップ」などのアクション、現代劇を中心にドラマ、映画で活躍。1980年代には、ダンディーな中年俳優として人気を博します。
2015年、NHK「かぶき者慶次」で主演。また、北野武監督の映画「龍三と七人の子分たち」の演技で第25回東京スポーツ映画大賞の主演男優賞を受賞。本人曰く「出演オファーが届いた際は、新手の詐欺じゃないかと疑った」とのことです。
そこで藤竜也ですよ😎 pic.twitter.com/ZzLf2imkU1
— 🦖Primal Rage aka サンゴリラ🦍 (@tokyo_32) November 1, 2021
昭和を代表するダンディーな俳優の一人である 、藤竜也さん。妻は元女優の芦川いづみさんです。息子さんがいらっしゃいますが、この方は一般人のようでした。
最近はあまりテレビではお見かけしませんでしたが、2021年、NHK「おかえりモネ」では主人公のおじいちゃん役で出演しています。牡蠣の養殖をしている寡黙で頑固だけど、優しさを秘めた渋い男の役でぴったりです。
また、2021年は藤竜也さん出演の映画「それいけ!ゲートボールさくら組」もクランクイン。これからもダンディーな藤竜也さんでいて欲しいですね。
この投稿をInstagramで見る
沖雅也(矢吹 史朗)
沖雅也さんといえば『大追跡』の矢吹史朗が一番好きなんだ。初めは堅物なのにだんだんと砕けたキャラになってくのが凄く好き…(*´ェ`*) pic.twitter.com/KB7MsmfkMa
— 横浜に行きたいけど我慢してる冬将軍 (@fuyusyogun0111) June 12, 2020
融通が効かない堅物刑事・矢吹史朗を演じた沖雅也さんはドラマ「さぼてんとマシュマロ」に主演したことで人気を博し、「金メダルへのターン!」「キイハンター」への出演により、気鋭の若手として注目を浴び、1972年映画「高校生無頼控え」で主役に抜擢。
1973年から「必殺仕置人」その後の「必殺仕置屋稼業」にレギュラー出演して知名度を上げて行きました。
1976年から1977年まで「太陽にほえろ!」にスコッチ刑事としてレギュラー出演、爆発的な人気を得ます。その後もドラマ「大追跡」「俺たちは天使だ!」に出演。この時期には市川崑さんほか巨匠監督とも組んで映画にも出演していました。
1980年、視聴者からの熱いラブコールに応える形で「太陽に吠えろ!」に復帰します。そして1982年には沖雅也特別公演「恋剣法・若さま春秋」で初座長を務めました。
良き時代、うる覚えながら沖雅也さんは私にとって憧れでした😊
父は勝新太郎さんと石原裕次郎さんが好きだったようですが✨✨
小学校に上がって特撮番組の影響から現在、舞台で御活躍されてる俳優さんが好きになりました🎶
沖さんもその舞台俳優さんも私からすれば雲の上の存在ですが😅 pic.twitter.com/jTy7eCCoSb
— アローズ (@sting_arrows) November 5, 2021
1981年以降は過密なスケジュールによる不安定な精神状態や病気、そして交通事故などで辛い日々が続いたようです。
そして、1983年6月28日、沖雅也さんは宿泊していたホテルの最上階から飛び降り、自ら命を断ちました。享年31歳。本当に早すぎる最期でした。
仲の良かった渡辺篤さんは沖雅也さんは普通の人の倍のスピードで生きていたので、疲れてしまったのだろうと語っています。
沖雅也さんはドラマ「俺たちは天使だ!」の麻生雅人役を非常に気に入っていて、遺書にも「自分の遺影には「俺たちは天使だ!」の写真を使って欲しいと書いてあったそうです。
あいにやに何故麻生なのか?と
問われたので。ドラマ
『俺たちは天使だ❗』(1979年)
の主人公の名前。
子供の頃、このドラマの主人公を演じていた俳優の沖雅也さんが好きだったのでその名前にした。
大した理由ではない😅#沖雅也#俺たちは天使だ pic.twitter.com/Au5NhQiwYY— あそう♪ ポリごん あいにや一筋 (@asou_1229) June 28, 2020
柴田恭兵(滝本稔)
さて、本日は柴田恭兵さん68歳の誕生日…って68⁉️
いやはやもう…びっくりこきまろですが、またハードボイルドが見たいので、期待してます。おめでとうございます❗#柴田恭兵#大追跡#プロハンター#あぶない刑事 pic.twitter.com/qeiFQDK4Pd
— 💥🔫ハードボイルド・リク🕶️💣 (@HARDBOILED_RIKU) August 18, 2019
お調子者で人がいい滝本稔を演じた柴田恭兵さん。1977年「大都会PARTⅡ」でテレビ初出演し、「俺たちの朝」にもゲスト出演。翌年「大追跡」で連続ドラマ初レギュラー出演となります。1979年には「俺たちは天使だ!」で一躍脚光を浴び、人気が定着します。
1986年、舘ひろしさんとのコンビで主演を務めた「あぶない刑事」で爆発的な人気を得て、その後も「はみ出し刑事情熱系」シリーズなどをヒットさせ、毎年のように連続ドラマの主演を務め、その数は20本を超えます。すごいですね!
かつて柴田恭兵さんのモノマネでよく使われていた「関係ないね」というセリフは1980年代のポッカの缶コーヒーのCMのもので、田代まさしさんや木梨憲武さんがこのフレーズをよく使っていて、やがて柴田恭兵さんの代名詞のように広まったものです。
柴田恭兵一瞬ポッカの顔GIF pic.twitter.com/vdIBtjgoqY
— ABU$AROM 2.0⊿° (@Abusa_romu) April 22, 2017
柴田恭兵さんは2006年7月、初期の肺がんと診断され、摘出手術を受けますが、8月には無事に退院し一時自宅療養の後、12月にドラマ「ハゲタカ」の撮影で復帰します。これを機に禁煙し、現在は寛解しているようです。
柴田恭兵さんの最新の出演作は2020年WOWWOWで放送されたドラマ「鉄の骨」。柴田恭兵さんの役どころは建設業界の談合を裏で取り仕切るフィクサーというもの。今までのイメージとはガラリと変わっています。
70代になった柴田恭兵さんですが、年齢を重ね、年相応のかっこよさを感じさせるところが最大の魅力なのですね。今後もカッコ良く生きて欲しいと思います。
この投稿をInstagramで見る
長谷直美(結城佳代子)
長谷直美さん
俺たちの朝もそうだけど
大追跡、俺たちは天使だ、太陽にほえろの時も可愛かった♪💘#長谷直美 #俺たちの朝 #大追跡 #俺たちは天使だ #太陽にほえろ pic.twitter.com/jrc6QmxwPL— ぱぱすけ@おニャン子世代🎌 (@satomi__g) August 21, 2018
男性顔負けのドライビングテクニックを持つ結城佳代子を演じた長谷直美さん。1974年「私は天使じゃない」でレコードデビュー。1976年から「俺たちの朝」にレギュラー出演て脚光を浴び、以後多くのドラマ、バラエティーでも活躍しました。
1995年から2011年までパリに在住。2012年にはイギリスに在住し、舞台演劇を学んでいます。そして、2012年に帰国して「ハローダーリン〜二人っきりの解けないバランス〜」で初舞台に立ちます。
2013年「警視庁南平班〜七人の刑事〜6」のゲスト出演で22年ぶりのドラマへ復帰。2019年、デビュー46年目にして初の主演映画「悪い女はよく稼ぐ」が公開されました。
映画「悪い女はよく稼ぐ」の上映後の主演・長谷直美さん。ファンがたくさんいました#悪い女はよく稼ぐ pic.twitter.com/8ZZ0A5uUq6
— 藤原 良 ふじゃらりょー (@Fujiwara2050) June 22, 2019
長谷直美さんは39歳で結婚し、子育ての間は女優業を封印して、母親業に専念していましたが、価値観の違いから54歳で離婚し、再び女優に戻ることを決めました。
映画「悪い女はよく稼ぐ」は監督以下、「太陽にほえろ!」の元スタッフ、出演者たちがたくさん関わっているということで話題になったサスペンスフルなアクションです。フランスにいる娘さんからも「ママ、カッコいい!」と言われたそうです。
この投稿をInstagramで見る
渡辺文雄(高岡巌)
このあと梶芽衣子に殺されそうな渡辺文雄 #大追跡 #横浜駅SF #殺されません pic.twitter.com/vALTM18QZX
— オードリー羽田⋈@いろんな情報おじさん (@audrey1967) December 5, 2016
警視正・高岡巌を演じた渡辺文雄さんは、東大を 卒業後電通に入社、翌年松竹へ出向します。出向先の松竹で映画「泉」に出演したことがきっかけで俳優としてデビューしました。
1961年、大島渚監督、小山明子さんらとともに松竹を退社し、創造社の結成に参加。1960年代後半から1970年代前半にかけては膨大な量の東映任侠映画に悪役として出演しました。
「食いしん坊!万才」の初代リポーターとして、お茶の間にも広く顔が知れるようになります。持ち前の知性を生かしながら料理の美味しさを伝えられるように努力し、長寿番組の礎を築き上げたということです。「遠くへ行きたい」のリポーターとしても知られています。
食いしん坊も食べ過ぎにはパンシロン。
本日10月31日は渡辺文雄さんの生誕の日です。 pic.twitter.com/9BYBDS3bHq
— 濹東キネマ☆濹東名人会 (@bokutoukinema) October 30, 2020
渡辺文雄さんはバラエティ番組出演の経験を踏まえたエッセイも執筆しており、多くの著書があります。その文才を認められて、日本エッセイストクラブへも入会。
2001年、岐阜県にある飛騨・世界生活文化センターの 館長に就任。また、最晩年まで「遠くへ行きたい」や「おもいっきりテレビ」のゲストコメンテーターなど、その知性を生かして幅広く活躍していました。
2004年急性呼吸不全のため逝去、享年74歳。日本の映画界からまた一人、知性派の俳優がいなくなってしまい悲しみの声が多く聞こえました。
西村大臣の言い訳は、昔の東映映画で渡辺文雄さんが言いそうなセリフではあるな。 pic.twitter.com/W4PkN4LJEz
— MAE (@CHE_M26_7) July 9, 2021
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は横浜を舞台にした大ヒット刑事ドラマ「大追跡」の出演女優・俳優の皆様の現在に迫ってみました。
「太陽にほえろ!」「あぶない刑事」などと並ぶ名作「大追跡」。改めて見ると、素晴らしい女優・俳優さんが出演していたことがよくわかります。セリフ、アクション、全て完璧ですね。
「大追跡」のキャストは、アクション派と知性派のバランスが実によく取れていて、楽しく、安心して見ることができます。横浜の風情もドラマの内容と相まって雰囲気を盛り上げていました。
最後までご覧いただきありがとうございました。