今ネットやテレビで度々耳にする「カスハラ」。カスハラとはカスタマーハラスメントの略称で、お客様が店員や従業員にむけてなされる理不尽な態度のことです。
『パワハラ・セクハラ』などは既に定着しつつ言葉ではありますが、まだあまり聞きなれない「カスハラ」について詳しく説明していきたいと思います。自分自身に起こりうることかもしれませんので、その対処法も一緒にご紹介していきます。
カスハラ(カスタマーハラスメント)とは?特徴について
カスタマーハラスメントの定義は、お客様による自己中心的かつ理不尽な態度・言葉・要求のことです。
カスタマー=お客様や消費者
ハラスメント=相手に嫌な思いをさせ、困らせたりすること
カスハラの多くは接客業、例えば飲食店・量販店・病院など、お客様と直接触れ合う機会が多い職業に多く見られます。
よくクレーマーと混同されやすいのですが、クレーマーは自分の購入した物や自分の陥った状況に対してクレーム(苦情や改善余地の要求)をすることです。
カスハラはそれとはまったく関係のない従業員を執拗に責めたり、時には暴言や暴力などの危害が加えられる場合もあります。自身の私情の感情も加わるため、相手への当たりがとても強くなります。
そういったカスハラをするお客様の多くは「お客様は神様だ」といった概念があり、そこから暴走化が止まらなくなってしまうようです。
少しでも自分の希望に沿わなかったり従業員の態度が気に入らないと、解決不可能な難題をわざと突きつけ、無理やり謝罪を要求し、無料で商品を貰えるように仕向けたり、SNSにアップすると脅したり、従業員を困らせる状況を作り出します。
カスハラの影響で働いている人がストレスを受け、心身ともに衰弱してしまうケースがあり、最悪の場合通院を余儀なくされたり、職を退くという事例があります。カスハラは今では深刻な社会問題になっています。
カスハラの事例
カスハラの線引きはとても難しく、厄介なものです。そこでいくつか実際にあった事例を紹介したいと思います。
アルバイトに手を出そうとした顧客がいたので、間に入ったら胸ぐらをつかまれ、唾を吐かれた。
飲食店で、注文した品が出てくるのが遅いと怒ってウエイトレスの私にコップの水をかけてきた。
引用:https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1912/23/news124.html
その他現役の駅員さんにまでカスハラの影響が広がっています。
電車の遅延で無駄になった俺の時間をどうするんだ。損害を被ったので金を払え。
忘れ物が見つからない、無くなるわけがない。今からお前が車庫にいって全部見てこい。
引用:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191219/k10012219321000.html
どちらもお客様の行き過ぎた態度が問題の原因になっています。
ネットの調査でもカスハラを経験している人がとても多いようです。
ネットで告白相次ぐ“カスハラ”被害、実際に受けた人はどれくらい? 接客経験者に聞いた結果は……https://t.co/TybrKXDFdY pic.twitter.com/LWFIiPgd8k
— ITmedia NEWS (@itmedia_news) December 23, 2019
過去10年間でカスハラが労災認定された事例は78人になり、その中で不幸なことに自殺に繋がった事例は24人に及ぶことが判明しています。
カスハラに遭った時の対応方法や対策はどうするの?
お客様と接する機会の多い方は、カスハラに出くわす可能性があるかもしれないですし、もしかして既に経験して心当たりのある方も多いのではないでしょうか。そんな時私たちに出来ること、そして対策を紹介していきたいと思います。
まず一番最初にしたいことはその状況を冷静に見分けるという事です。最初の段階で、従業員が謝って事が収まるのであれば謝るのも一つの方法です。丁寧にそして真摯に謝ることが大切です。
しかしカスハラのほとんどは従業員の弱みに付け込んでくる場合が多く、一度謝るとさらに事が大きくなる可能性もあります。
お客様が根拠のない言いがかりや無理の要求をしてきた場合、思い切って断る勇気も必要です。しかしまずはお客様を理解し、対策をうっていく形をとるのがベストです。
もしお客様が大きく出るようなら、すぐに責任者にその状況を知らせて代わりに対応してもらいましょう。特に学生のアルバイトだと対処できないことも多いので対応してくれる方に頼むのがベストです。
もし出来るのであれば、なんらかの形で証拠を残すことも、後々大事になってきます。例えばボイスレコーダーを使用し録音したり、何が起きたのかメモを取ることも大切です。
これ以上お店の方で対処できないようなら、無理にお客様に対応し続けるのはすぐに辞めるべきです。理由として解決できるものだったかもしれない事例が、もっとこじれて最終的に解決が困難になることもあるからです。
そのような場合は専門の機関または警察に相談するのがベターです。「お客様は神様」という考え方には限度があります。よっぽどひどい場合は専門の方に任せましょう。
法律や裁判で裁くことは可能?
まずはこちらの動画をご覧ください↓
動画にあるようにお客様のカスハラの具合により、
・強要罪
・威力業務妨害罪
・暴行罪
3年以下の懲役または50万円以下の罰金
というように実際に法で裁かれることもあるようです。
実際にお客様も従業員も、法律に反しているのか気づいていないケースが多々あり、見逃してしまうこともあります。そういったことを懸念し、厚生労働省は具体的な指針作成を検討しているということです。
まとめ
接客業を経験している人の大半がカスハラを経験しているという驚きのデータがありました。
お客様も従業員の事を尊敬しなければいけないし、従業員もカスハラに対し真剣に向き合わないとけないと感じました。
辛いと思ったらすぐにSOSを出すのが最善だと感じました。