韓流

【韓国ドラマ】2023年SBS演技大賞とノミネート作品を紹介

映画作品以外の賞レースの有名なものとしてエミー賞やギャラクシー賞などが挙げられますが、その韓国版とも言えるのが演技大賞です。

この演技大賞はKBS、MBC、SBSという地上波3局にそれぞれ設けられており、その年の1月から12月にかけて放送されたドラマを対象に贈られる賞となっています。

毎年年末に生放送されるこの演技大賞は、近年は日本でも中継放送されており、豪華芸能人が一同に介する華やかな番組として人気となっています。

この演技大賞には、その年を代表する活躍を見せた俳優に贈られる大賞をはじめ、若手俳優や長年の苦労の末にブレイクした俳優に贈られる新人賞、ネットユーザーからの投票が大きく影響されるベストカップル賞などがありますが、

今回は2023年のSBS演技大賞とノミネート作品について紹介したいと思います。

因みに韓国のドラマ関連の賞は演技大賞以外にもあり、長い歴史を持つ“百想芸術大賞”、ケーブルテレビドラマも対象となる“コリアドラマフェスティバル”、世界中の優れたドラマを紹介する“ソウルドラマアワード”などがあります。

【韓国ドラマ】2023年にKBSで賞を獲得した人気の作品と俳優を紹介放送文化の発展に貢献した人や作品に与えられる賞として、米国の「エミー賞」などが有名ですが、韓国でも毎年「演技大賞」という華やかな祭典が行...

2023年SBS演技大賞

シン・ドンヨプ&キム・ユジョン「2023 SBS演技大賞」のMCに!3 ...

SBS演技大賞は、1993年にSBSスター大賞として設立されたテレビドラマや出演した俳優、携わったスタッフに対して贈られる賞です。

今回の授賞式MCは、シン・ドンヨプさんとキム・ユジョンさんが務めており、大賞はイ・ジェフンさんとキム・テリさんが共同受賞しています。

SBS演技大賞2023・受賞まとめ♡今年1年ありがとうございました ...

イ・ジェフン「復讐代行人2~模範タクシー~」

本作の主演により大賞を受賞したイ・ジェフンさんですが、作品自体も大賞を含め9冠に輝いています。

「復讐代行人2〜模範タクシー〜」は、2023年2月17日〜2023年4月15日まで放送された人気復讐エンタメシリーズの第2弾で、平均視聴率は約15%、最終回視聴率は最高25.6%を記録したヒット作です。

演出は「その年、私たちは」(共同演出)などのイ・ダン監督、脚本は「復讐代行人~模範タクシー〜」や映画「操作都市」などのオ・サンホ作家が務めています。

主人公のキム・ドギ役のイ・ジェフンさんは、特殊部隊出身のタクシー運転手で、警察には相談できないような事案を引き受ける“模範タクシー”業務を仲間たちと共に密かに行っています。

その模範タクシーで実行担当なのがドギであり、元特殊部隊という経歴を活かして依頼人の代わりに復讐代行業務を行っています。

作品のテイストはいわゆる「必殺仕事人」的なもので、警察や法では解決できない問題を依頼人の代わりに解決し復讐を成し遂げるというエンタメ作品です。

タクシーを使ってのカーアクションや、特殊部隊出身ならではの本格的アクションもあり、エピソードの最後には悪人たちを爽快にやっつける展開も待っています。

そんな主人公ドギの活躍のみならず、模範タクシーの面々たちとのやり取りやキャラクターも魅力的で、本作からは模範タクシーの秘密を探ろうとする悪の組織との対立も見どころとなります。

映画「高地戦」「建築学概論」や、ドラマ「秘密の扉」「シグナル」などで知られるイ・ジェフンさんですが、演技大賞の大賞を受賞したのは今回が初であり、前作は最優秀演技賞止まりでした。

あらすじ

前作から1年後が舞台で、それぞれ別の道を歩むことになった模範タクシーの面々が再び集結するところから始まります。

最初の依頼人は、行方不明となった息子を探してほしいという父親で、調査を進める中である違法ネットカジノ組織を突き止めたドギは、単身ベトナムへ向かうことになります。そこでは甘い話に騙された者たちが監禁され違法カジノシステムを作らされており…。

一方、ドギたちが所属するタクシー会社ムジゲ運輸には、新人タクシー運転手のオン・ハジュンが加わっていました。一見すると人懐っこい印象のハジュンでしたが、模範タクシーのことは何も知らないはずなのにコソコソと何かを探っているようで…。

作品の印象

前作と同様に韓国では珍しい検察、警察以外が活躍する犯罪捜査ものになっていて、アクション要素や痛快復讐劇展開が魅力的な作品でした。

視聴率:『模範タクシー2』最終回20%超…イ・ジェフンが心境語る ...

犯罪の内容は他の韓国サスペンス同様に暗くて重いものですが、最後にはスカッと爽快に悪者をやっつけることが分かっていますし、何話かで1エピソードとなっているので内容の割には見やすいのが特徴です。

コミカルなサブキャラと特長的なテーマ曲も印象的ですし、ちゃんと現代社会の問題ストーリーと絡めているのでシリーズ化されるのも納得です。

特に法の網をすり抜けてふんぞり返っている悪人たちに制裁を加えていくのは見ていて痛快で、スパイもののような変装や潜入劇があったり、お決まりのハッカーやメカニックもいたりと、普通の刑事モノではお目にかかれないエンタメ要素が満載なのもこのシリーズの魅力となっています。

キム・テリ「悪鬼」

イ・ジェフンさんと共に大賞を共同受賞したのは「悪鬼」のキム・テリさんです。本作も6冠獲得しています。

2023年6月23日〜7月29日まで放送され、Disney+でも同日配信された「悪鬼」は、キム・テリさんが主演を務め、「シグナル」や「キングダム」などを手掛けたキム・ウニ脚本家によるオカルトミステリーです。視聴率は平均10%、最高11.2%となっています。

映画「お嬢さん」やドラマ「ミスター・サンシャイン」「二十五、二十一」などで知られるキム・テリさんが本作で演じているのは、悪鬼に取り憑かれた女サニョンで、この世のものではない悪鬼に取り憑かれたことで取り憑かれた状態のサニョンと本来のサニョンという二つの顔を演じ分けています。

ストーリーは、悪鬼や悪霊が関係する事件を、サニョンと悪鬼を見ることができる男が調査するというミステリーで、悪霊退治をするのではなく悪霊の目的や何故自分に取り憑いたのかを突き止め、対話により成仏してもらおうという内容になっています。

不用意にドアを開けてしまうと悪霊の力により首を吊ってしまうというオカルトならではの要素もあり、同時に犯罪捜査ドラマとしても楽しむことができます。

出演作の殆どで演技賞をいくつも受賞してきたキム・テリさんは、かつて劇団で照明や音響などの裏方をしていたという経歴がある女優です。

舞台でキャリアを積んだ後に短編映画にも出演し、その後オーディションをくぐり抜けてパク・チャヌク監督の映画「お嬢さん」の主人公役を勝ち取るのですが、これが長編映画デビュー作であり、新人にして国内外の映画祭で高い評価を得ることになります。

その後の活躍は言わずもがなですが、実は地上波のテレビドラマ作品に出演するのはこれが初となります。

あらすじ

貧しい家庭に生まれたサニョンの人生は、父親が不可解な死を遂げた上に、母親までも詐欺に遭い大金を失ったことで最悪なものとなってしまいます。

しかも、サニョンと関わった者たちまで不審死を遂げるようになり、何故自分の周りでだけおかしなことが起きるのかと不満に思っていましたが、ある時、悪鬼の姿が見えるという民俗学者ヘサンと出会ったことで、自分に悪鬼が取り憑いていたことを知ることとなります。

以前、祖母のもとを訪れた際に悪鬼に取り憑かれたことを知ったサニョンとヘサンは、悪鬼の呪いを解くために協力することになるのですが・・・。

作品の印象

これまでにも韓国ドラマでは、幽霊や死者が見えることで事件を解決していくという作品はありましたが、本作は悪鬼に憑かれた女と悪鬼を見ることができる学者が協力して悪鬼の呪いを解こうとするというオカルトミステリーです。

主軸はサニョンに取り憑いている悪鬼の目的や正体を知ることで祓おうとするものですが、同時に悪鬼が関わったり、関わっているかのように思える事件を捜査するドラマでもあり、エクソシストもののような悪霊退治が目的ではないのが斬新でした。

悪鬼となった理由として韓国ドラマらしい犯罪や人間の業なども描かれている一方で、「ドアを叩く音や知り合いが呼ぶ声が聞こえても、決してドアを開けてはいけない」というオカルト作品お決まりの要素などもあり、

ただただ強いだけでなくハラハラドキドキの展開があるのも魅力でしたね。

ノミネート作品

ハン・ソッキュ「浪漫ドクターキム・サブ3」

「復讐代行人2〜模範タクシー〜」に次ぐ8冠獲得となったのがハン・ソッキュさん主演の人気シリーズ「浪漫ドクターキム・サブ3」です。

この作品は2023年4月28日〜2023年6月17日まで放送され、Disney+でも同日配信された医療ドラマで、最終回では自己最高となる16.8%の視聴率を記録しました。

スタッフ、キャストは前作と同様ですが、キム・サブとは犬猿の仲の大物医師役としてイ・ギョンヨンさんや、度々問題を起こす専攻医役のイ・シニョンさん、軍医から転向した専門医役のイ・ホンネさんらが新加入しています。

浪漫ドクター キム・サブ3」ハン・ソッキュ、アン・ヒョソプとイ ...

シリーズ第3弾となる本作では前作から3年後が舞台となっており、新たに設立された外傷センターに関する問題や、医師たちの活躍と新たなメンバーたちの成長が描かれています。

話題となったのは「浪漫ドクターキム・サブ」のメインキャラであるカン・ドンジュ役のユ・ヨンソクさんが約6年半ぶりにカムバックしていることで、後半のキーマンとして登場します。

視聴率だけを見ると前2作と比べると苦戦しましたが、内容に関しては個人的にシリーズ中最高の出来だと思っていて、これまで以上に医療現場の問題点や医師一人に掛かる重圧などが様々な難手術を成功させると共に描かれているんです。

分かりやすい悪役がいたこれまでと比べると盛り上がりに欠けると感じた人もいたようですが、キャラクターそれぞれの心情がこれまで以上に描かれていた点が個人的にグッときましたね。

キム・レウォン「ファースト・レスポンダーズ 緊急出動チーム」

2022年11月12日〜12月30日までに12話、その続きの12話が2023年8月4日~9月9日まで放送され、ディズニープラスでも同時配信されたこの作品は、キム・レウォンさん、ソン・ホジュンさん、コン・スンヨンさん主演による警察、消防、救急の活躍を描いた犯罪捜査と人命救助を描いたドラマです。

2022年のSBS演技大賞では、キム・レウォンさんが最優秀演技賞、コン・スンヨンさんが優秀演技賞を受賞していましたが、約8ヶ月後に放送された続編ではソン・ジユンさんが助演賞を受賞したのみとなりました。

ディズニープラス】韓国ドラマ『ファースト・レスポンダーズ ...

その内容は、前作より続く連続放火事件の真相を描くと共に、科捜研の活躍や完全犯罪の首謀者との戦いを描くものとなっていました。

警察、消防、救急、科捜研が一つの作品の中で描かれるという珍しさもありますが、それらが連携して事件解決に挑むというのも本作ならではの特長で、前作と比べ消防&救急要素が薄まる代わりに科学捜査要素が全面に出されていました。

ただ、見た目的にも派手だった消防ドラマ要素が影を潜めたことで、前作と比べると地味になったという印象も強く、その上、主要キャラの1人が早々に退場してしまう展開にも賛否が分かれる結果となりました。

ファースト・レスポンダーズ 緊急出動チーム2」キム・レウォン ...

それでも序盤で描かれる連続放火事件の一部始終は必見ですし、その放火事件を起こした謎の人物やその背後にいたものの目的を探るドラマは面白く、犯人がお決まりの連続殺人犯とも違うので、展開が予想できないというのはサスペンス好きからするとありがたいものでしたね。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

こうやって年に一度盛大に祝うことで、後追いで見ようと思う人がいたりするのは良い事ですよね。とくに、リアルで見れない作品が多い日本人にとってはドラマを見る上で参考にすることも多いのではないでしょうか。

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