BTS

【BTS楽曲ヒストリー1】学校三部作からWINGSまで!曲に込められたテーマを解説!

2013年のデビューから、ほとんど休むことなく活動を続けて多くの楽曲をリリースしてきたBTS。

BTSの作品はアルバムごとにさまざまなサウンドやコンセプトが取り入れられており、初期の作品から追っていくと彼らの音楽性の変容をみることができます。

ということで今回は、BTSのデビュー作からWINGSまでリリースされた楽曲を順番に徹底解説していきます。

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BTS楽曲ヒストリー

BTSの楽曲は、あらゆる音楽ジャンルを取り入れたサウンドや作りこまれた世界観など、さまざまな側面から楽しむことができるのが魅力。

BTSはデビュー作からメンバー自身が楽曲制作に携わってきたこともあって、楽曲の中ではメンバーの等身大の感情が表現されています。

デビュー当時はヒップホップ色の強いサウンドで、社会への不満を歌う楽曲が多かったBTSですが、彼らの成長や環境の変化に伴ってそのサウンドやメッセージも少しずつ変化しているようです。

アルバムごとに順番にみていきましょう。前編では、「2 COOL 4SKOOL」から「WINGS」までのアルバムについてまとめました。

学校三部作(2013~2014年)

「学校三部作」とは、BTSのデビュー初期に発表された「2 COOL 4SKOOL」、「O!RUL8,2?」、「SKOOL LUV AFFAIR」の3作品のこと。

この3作には、BTS(防弾少年団)のグループ名に込められた「10 代、20 代に向けられる抑圧や偏見を止め、自身たちの音楽を守り抜く」というメッセージと重なる、現代の若者が抱える不安や怒りに寄り添った楽曲が多く収録されています。

1作目からみていきましょう。2013年6月12日に発売されたデビューシングル「2 COOL 4SKOOL」は、シングルながらもデビュー曲を含む全7曲を収録した力作です。

楽曲制作には、パンPDやPdogg、slow rabbitなど、BTSのクリエイティブに欠かせないプロデューサー陣のほか、RM、SUGA、J-HOPE、ジョングクも参加。

与えられた楽曲をただ歌うのではなく、音楽を通して自らのルーツやメッセージを伝えるというヒップホップアーティストとしての姿勢を見せました。

「お前の夢はなんだ?」と強く問うヒップホップナンバー「No More Dream」のほか、彼らが練習生時代から感じていた偏見や誤解を歌った「We Are Bulletproof Pt.2」などを収録。

ヒップホップ色の強いサウンドと反骨精神あふれる歌詞、メンバーの楽曲制作参加など、既存のアイドルという枠に収まらないスタイルを打ち出した鮮烈なデビュー作でした。

続いて、2013年9月に発売されたのが1st ミニアルバム「O!RUL8,2?」。「Oh! Are you late, too?」と読みます。デビューシングルで掲げられた「夢」というテーマを「幸せの意味」に拡大し、自らの人生と幸せを問うメッセージが込められています。

他人の決めた幸せではなく自分の幸せを見つけるべきと語りかける「N.O」や、それぞれの出身地の方言で歌う「Paldogangsan(八道江山)」、ラップラインによるヘイタ―への反撃曲「BTS Cypher PT.1」などを収録。

そして、「学校三部作」の最終章となったのが、2014年2月に発売された2nd ミニアルバム「SKOOL LUV AFFAIR」。学校を舞台にした10代の恋がテーマで、若者らしいみずみずしい恋愛感情を表現しています。

ストレートな恋愛感情を歌い、商業的にも成功した「Boy In Luv」や、若者の間での高価なダウンジャケットの大流行について揶揄した「Spine Breaker」などが収録されました。

DARK&WILD(2014年)

「学校三部作」を経て、リリースされた初のフルアルバムが2014年8月発売の「DARK&WILD」です。学校というテーマから卒業し、少年から大人になるまでの姿を表現しました。

収録曲には、ストレートで荒々しい歌詞が多くみられ、「男らしさ」を強調した表現が随所に盛り込まれています。

サウンドもロックを取り入れ、アルバム全体を通してシャープでエッジがきいた雰囲気。ボーカルラインの成熟を感じるR&B調の曲も印象的です。

収録曲は、エレキギターのサウンドが効いた「Danger」や、のちに歌詞が女性蔑視だと問題になった「war of hormone(ホルモン戦争)」など全14曲。

この問題をきっかけに、RMは自らが描いたラップをジェンダー学の先生にチェックしてもらうという工程を導入するようになったそうです。

花様年華/青春三部作(2015~2016年)

「青春三部作」とも呼ばれる「花様年華」は、「花様年華」Pt1、Pt2、「花様年華 Young Forever」の3作からなるシリーズ。

同名の香港映画からつけられた「花様年華」とは、人生で最も美しい瞬間という意味だそうで、シリーズを通して、人生で最も美しい瞬間=青春の美しさと儚さを描いています。

また、言葉が通じなくても思いを共有できるようにと、ストーリーと世界観を作り込んだMVも特徴です。とくに「I NEED U」、「花様年華on stage : prologue」、「RUN」のMVはストーリーの繋がりや意味深な描写が多く、MV考察が盛り上がりました。

そんな「花様年華」シリーズの1作目となるのが2015年4月発売の「花様年華 Pt.1」。

これまではラップラインがメインで楽曲制作を行っていましたが、今作はボーカルラインも積極的に制作に参加。よりポップで叙情的な楽曲を多く収録し、BTSの音楽的な転機となった1作です。

音楽番組のランキングで初めて1位を獲得した「I NEED U」、エネルギッシュなヒップホップダンストラック「DOPE」、楽しい雰囲気でライブでも盛り上がる「 Boyz with Fun(フンタン少年団)」などを収録。

続く「花様年華 Pt.2」では、より青春の不安や葛藤にフォーカス。不安を抱えながら、それでも前進しようという強い姿勢が表現されています。

疾走感あふれる「RUN」や、ボーカルラインそれぞれの表現力が発揮された「Butterfly」、故郷について率直に歌った「Ma City」などを収録しています。


そして、「花様年華」シリーズの最終章としてリリースされたのが、2枚組のスペシャルアルバム「花様年華 Young Forever」です。既存曲のリミックスを含む23曲が収録されています。

このスペシャルアルバムには、RMが初めてプロデュースに参加した「EPILOGUE : Young Forever」のほか、「FIRE」、「Save ME」が新たに追加されました。

「WINGS」(2016~2017年)

「花様年華」シリーズで商業的に大きな成功をおさめ、大きな注目を集める中で2016年10月にリリースしたのが、2ndフルアルバム「WINGS」です。描かれるテーマは、「生まれて初めて誘惑に出会い、悩み迷う少年たちの葛藤と成長」。

宗教的なモチーフや神話の引用により「誘惑」というテーマを暗示し、全体的に重く神秘的なトーンの楽曲が多くなっています。

アメリカのビルボードで26位にランクインするなど、BTSが韓国国内でだけではなく世界的に評価を獲得したアルバムでもあります。また、初めてメンバーそれぞれのソロ曲が収録されました。

メンバーそれぞれの音楽の方向性を示したソロ曲のほか、年末の歌謡祭で大賞を受賞した「Blood Sweat & Tears(血、汗、涙)」や、ファンに向けて作られた「2!3!」などを収録。

その後、2017年2月にはリパッケージアルバム「WINGS外伝: You Never Walk Alone」をリリース。これまで描かれてきた苦くせつない物語に、「君は決して一人じゃない」というメッセージを加え、希望を届けました。

セウォル号沈没事故の追悼曲と言われている「Spring Day(春の日)」や、挫折した若者を応援する「Not Today」のほか、「Outro:Wings」、「A Supplementary Story: You Never Walk Alone」が追加収録されました。

まとめ

ここまで、BTSのデビュー作「2 COOL 4SKOOL」から2017年にリリースされた「WINGS外伝: You Never Walk Alone」までの作品を順番にみていきました。

アルバムごとに、さまざまなコンセプト、サウンドで全く違った世界観をみせてくれるのがおもしろいですね。リリースを重ねるごとに、少しずつ世間から評価を得ていく様子も感じることができました。

後半では「WINGS」以降のアルバムについて解説していきます!

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