BTS

【考察】FAKE LOVE解説!役柄やストーリーとMVとの繋がりについてまとめ

大きな人気を博すBTSは、知れば知る程ハマっていく魅力がたくさんありますよね。そのひとつが彼らの強いメッセージ性ではないでしょうか。

BTSのMVは壮大なストーリー仕立てになっているものが多く、知れば知るほど考察を重ねてその世界観にのめりこんでしまいます。今回はそんなBTSの楽曲の中から『FAKE LOVE』にスポットを当てて、交錯するARMYの考察をまとめてみました。

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FAKE LOVEはどんな楽曲?

今回のテーマであるFAKE LOVEの前に、BTSのこれまでの軌跡を簡単にご紹介します。BTSはデビュー後、抑制された10代の心を代弁した『学校3部作を、続いて青春3部作』と呼ばれるようになる『花様年華』シリーズを発表しました。

そもそも花様年華というのは2000年に制作されたロマンス映画のタイトルとして有名で、「人生で最も美しい瞬間」という意味が込められた言葉です。


人生の中で最も美しく輝き、そして危うく儚い複雑な青春時代を象徴したこのシリーズは、当時から大きな注目を集め、BTSの人気を確固たるものへと押し上げました。BTSを代表するような名曲も多く含まれ、今でも根強い人気を誇っていますよね。

そして誘惑と出会いながら、大人へと成長する少年の葛藤を描いた『WINGS

「ARMYの皆さん、この言葉を覚えておいてください。Love myself、Love yourself」というRMの有名なスピーチから始まった、自分自身の内面と向き合う『LOVE YOURSELF』シリーズへと移行していきます。


FAKE LOVEは、起承転結からなるLOVE YOURSELFシリーズ『轉 ‘Tear’のタイトル曲として収録された楽曲です。キャッチーな曲調と印象的なダンスが魅力的ですよね。耳に残るそのフレーズの通り、テーマは「偽りの愛」

日本語の歌詞を見ると分かりますが、ここでいう偽りの愛とは、愛情自体のことではなく、愛のために偽っている自分自身のことを指しています。YouTubeに投稿されているMVは、何と10億再生超え

そしてFAKE LOVEは、大反響を巻き起こした花様年華のストーリーと繋がっていると考えられています。学校3部作については意見が割れているようですが、花様年華以降のストーリーは繋がっているとの考察が濃厚です。


BTSと共に楽曲も成長してゆき、その時のリアルな心情が心に響く楽曲を作り上げていくのですね。美しく壮大なMVはかなり緻密に作りこまれており、その世界観に入り込みすぎて辛く感じてしまうARMYもいるようです。

それではFAKE LOVEのMVを読み解くために、ストーリーの大筋とBTSメンバーが演じるキャラクターについて振り返ってみましょう。MVHighlight reel、そしてTeaser映像の3本の動画から読み取っていきます。

※ 以下はあくまでも考察となりますので、ひとつの可能性としてご覧ください。

メンバーの役柄とストーリー

花様年華から続くストーリーは『BUBTS Universe)』と呼ばれる世界観で描かれています。それらは世界中のARMYによって考察が進んでいるため、大まかな流れには通説が定着しています。ARMYパワー、恐るべし…!

基本的にMVの時系列はバラバラにされていますが、① I NEED YOU ② 花様年華on stage : prologue ③ RUN の順番で観ると、繋がりが見えてきて分かりやすいと言われていますので、興味がある方はぜひ改めてご覧ください。

簡単にまとめてみると、BUの世界の7人はそれぞれがつらい事情を抱えていましたが、そんな彼らが出会うことで、ようやく「自分の場所」が見つけられました。しかしジンの小さな裏切りにより7人はバラバラになってしまい、不幸な結末を迎えることになります。

ジン:父親から「良い人」になるよう強いプレッシャーを受ける。
SUGA:火事で母親を亡くし、折り合いが悪い父親との暮らしで荒れていく。そして自ら放火して命を絶つ。
J-HOPE:幼いころ母親に捨てられたトラウマ、それによる精神疾患を抱える。階段から転落して大怪我を負い、救いだったダンスができなくなる。
RM:貧困により家族を養うも、その生活から逃げ出してしまう。しかしアルバイト先のガソリンスタンドで客とトラブルを起こし留置所へ。
ジミン:幼い頃誘拐を目の当たりにしトラウマに。精神病院へ入院するも、浴槽で自ら命を絶つ。
テテ:アルコール依存症の父親から姉と共にDVを受ける。ある日姉が暴力を振るわれる姿を見たテテは、ついに父親の命を奪う。
ジョングク:両親の離婚により自分の居場所を失う。荒れる生活の中、屋上から飛び降りて命を絶つ。

まず設定からして壮絶すぎるストーリーですね…。完全なるフィクションなのですが、本名で演じる上に本人たちに寄せた演出などもあるため「つらすぎる!」という声が聞こえてくるのも納得です。

ここでジンにだけ不幸が起こらなかった理由がLOVE YOURSELFのHighlight reelにて明らかになります。つらい現実を受け入れられなかったジンは、6人を不幸な過去から救うため、タイムリープを繰り返して1人奮闘していたのです。

しかしタイムリープによる6人の救出劇は、何度やっても上手くことを運ぶことができません。そうした基盤となるストーリーのもと、BTSのアルバムシリーズは進んでいきます。

ジンのタイムリープについて明かされたHighlight reelでは、新たに女性が現れます。ここでは彼女たちとの関係を通して、暗い過去を背負った自分のことを受け入れられないメンバーが示唆されているようです。

過去を受け入れられず、自分を愛することができない7人は、自分の本当の気持ちを打ち明けることができません

つまりその場から踏み出すことができず、成長することもできないのです。これは愛に重きを置いているLOVE YOURSELFシリーズにも、収録曲のFAKE LOVEにも通ずる部分がありますね。

そしてTeaserでは、7人がマジックショップと思われる場所で、それぞれが過去のネガティブな記憶を差し出し、新たにポジティブな記憶と交換します。メンバーの部屋の映像は、苦しい記憶の中にいることを表しているのでしょう。

そんな中ジョングクだけがただ1人、鍵の入った箱を受け取ります。

ジョングクは鍵を受け取ることで、ほかの6人のメンバーが真実の過去から逃れて偽りの世界に溺れていることに気が付くようです。そして6人を救い出すため、ストーリーはMV本編へと繋がっていきます。

MVの繋がりを考察

MVの冒頭では瓶に入った状態の『スメラルドの花』が映し出されます。スメラルドの花は架空の花で現実には存在しませんが、ストーリーを握るひとつの大きなカギとなっていて、細やかな設定が施されていました。


ジンのタイムリープが明らかとなったHighlight reelが公開されたのと同じ時期に、公式から何も発表がないまま突然あるブログが立ち上がります。それはまるで本当に実在しているかのような架空の花屋のブログで、そこにはスメラルドの花について語られました。

中にはジンと思わしき男性が花屋を訪れた様子もあり、動画とリンクしている部分も。また、そのブログには次のようなスメラルドの伝説も紹介されました。

醜い容姿にコンプレックスを抱いた男性が、人と関わることなく古城の庭で花を育てて暮らしていました。するとそこへ女性が現れるようになり、男性は彼女に好意を抱きます。彼女のために庭一面のスメラルドを育てるも、自分の想いを伝えられないまま、病弱だった彼女はこの世を去ってしまいました。

自分を愛することができず古城に閉じこもり、愛する人に想いを伝えられなかった男性が、動画冒頭のスメラルドと重なりますね。

FAKE LOVEではスメラルドの伝説のように自分を愛することができず、偽り続けることで苦悩するメンバーの様子が描かれています。自分や過去を受け入れることができずに、葛藤しているのです。

続いて睨むように見つめるジョングクと、カーテンを閉めてその視線を遮るジンの姿が。マジックショップではジョングクがネガティブな記憶を渡す描写はありませんが、『苦しむ6人を見ていることしかできない自分』というつらい記憶を差し出したのではないでしょうか。

記憶の部屋に閉じこもるヒョンたちを、ジョングクが1人見ているような描写が映し出されていますよね。6人が苦しむことはジョングクが苦しむことだと理解しているジンは、そんな姿を見せないためにカーテンを閉めたとも考えられます。

ジョングクがいる部屋が崩れたり、ジンの部屋が荒れたりするのはマジックショップで交換された過去が壊されることを意味しているのでしょう。

SUGAは炎、J-HOPEは捨てられた母との思い出のチョコバー、RMは自分自身を映す鏡、ジミンは大量の水、テテは唯一助けを求めた電話が、メンバーそれぞれの暗い過去を映すキーポイントとなっています。


真実や過去から逃れようとする6人の心情は、パフォーマンスシーンの石像やダンスの中にも表現されています。目と口と耳を手で塞ぐ仕草が見られますよね。真実から逃れたい、目を背けたいという強い気持ちが現れているのです。


破壊が進む部屋の中でジンは、スメラルドの花を抱きかかえるようにして守っています。スメラルドの花言葉は「伝えられなかった本心」。ジンはメンバーとの大切な記憶や、自分の本当の気持ちだけは守ろうとしたのかもしれません。

しかしジョングクが見つけた時には、スメラルドはすでに砂と化してしまいました。そして交換した鍵で入った部屋は、ジンがいたと思われる部屋。しかしジンの姿はなく、あるのは6本のポールハンガーと仮面、ローブだけです。

先に進むと、そこにはすでに仮面やローブを身につけて立っている6人の姿がありました。


7人は苦しい過去の記憶を消し去って幸せだけを手に入れるために自身を偽り、仮面で顔を隠してしまいます。本当の気持ちや、見たくない現実に蓋をしてしまったのですね。

しかしマジックショップで交換した幸せは作られたもので、偽りです。もしも偽りの世界で愛を手に入れても、それはニセモノでしかありません。逃げてもそこに幸せはなく、全ては意味がないのです。

FAKE LOVEには「青春と別れを告げて大人の道を進むためには、自分を愛して受け入れる必要がある」というメッセージが込められています。恐らく生きていくためには他者との繋がりが必要だと示唆しているのではないでしょうか。

1人で生きていくことは不可能で、愛情や助け合いが必要なのだと。そのためにはまず自分自身を愛し、暗い過去も認めてあげなければならないのだと。FAKE LOVEにはLOVE YOURSELFの強いメッセージ性を感じずにはいられませんね。

まとめ

以上、FAKE LOVEの考察についてまとめてみました。FAKE LOVEにもBTSを語る上で外すことができない花様年華の存在が色濃く表現されているように感じます。

今でも世界中のARMYから様々な考察がされていて、多くの見方が存在しているFAKE LOVE。BTSが伝えたいメッセージはどんなことなのか、あなたはどんな風に受け取りましたか?

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