BTS

【考察】LightsのMV解説!歌詞に込められたメッセージについても!

BTSの音楽を楽しむ上で欠かせないのが、楽曲やミュージックビデオに込められたメッセージやコンセプトの考察。

BTSの楽曲はメンバーの等身大の感情が率直に綴られているものが多く、さらにそこに神話や哲学、心理学など様々なエッセンスが散りばめられているため、楽曲リリースの度に世界中のARMYが様々な考察を展開して盛り上がります。

これまでにこのブログでもいろんな楽曲の考察を行ってきましたが、今回は2019年にリリースされた日本オリジナル楽曲「Lights」について分析していきたいと思います!

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Lightsはどんな曲?

「Lights」は2019年7月にリリースされたBTSの日本語曲。日本での10枚目のシングルとなった「Lights/Boy With Luv」に収録され、BTSの日本語作品として初めて100万枚出荷を達成した記念すべき作品でもあります。

BTSの日本語曲には、韓国でリリースされた楽曲を日本語にして歌ったものと、初めから日本語で制作されたオリジナル楽曲の2パターンがありますが、「Lights」は後者の日本オリジナル楽曲。

今や世界的なスターとなったBTSが、日本のファンのためにオリジナル楽曲を定期的にリリースしてくれているのはとても嬉しいですよね。ただ「Lights」がリリースされた頃は、日本のBTSファンにとって心がざわつく出来事も多い時期でした。

秋元康さんが作詞を担当する予定だったシングル曲が多くの反発を受けて発売中止になったり、原爆デザインTシャツ問題で日本の音楽番組への出演が取りやめられる事態もあり、BTSや韓国カルチャーに対して世間の風当たりが強くなっていた頃です。

そんな騒動ののちに発売された日本オリジナル曲「Lights」には、一体どんなメッセージが込められているのでしょうか。

歌詞とミュージックビデオの内容をひも解き、曲に込められたメッセージを考察していきましょう!

ここからの内容はあくまでも考察なので、「こんな解釈もあるんだな」という程度でとらえてもらえればと思います。

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歌詞に込められた意味は?

「Lights」はその歌詞やミュージックビデオの内容から、「究極のファンソング」と言われている曲です。

歌詞の中では、つらい状況の中でも君という光=lightが照らしてくれるから進んでいける、と”君”に対する感謝と決意の言葉が綴られています。

恋人に向けたラブソングにも聞こえますが、RMは雑誌「CanCam」のインタビューでこの「Lights」の歌詞に触れながら、「僕が人生で光をみた瞬間は2013年6月13日」「デビューするときにみたARMYのいる景色が僕にとっての光」と話していました。

つまり、タイトルのLightsとは、ARMYを意味していると捉えることができそうですね。lightではなくlightsと複数形になっていることからも、ファンのみんなに向けての曲といえそうです。

また、歌詞の中には「離れていても届いている」「離れていても届ける」というフレーズが繰り返されますが、これもBTSとARMYの関係性を表しているようです。

物理的には距離のあるアイドルとファンという関係でも、思いは届いているしこれからも届ける、というBTSからARMYへのメッセージが込められているのではないでしょうか。

さらに深読みすると、この「離れていても」とは一連の騒動で浮き彫りになった政治的な緊張感や、BTSと日本のARMYとの間にできてしまった距離を意味しているのかもしれません。

「君の声は聞こえてる/喧噪の中で時が止まる」という歌詞は、BTSに対するネガティブな意見で溢れかえった騒動の最中でも「ARMYの声は聞こえていたよ」というメッセージのようにも聞こえますね。

「誰だって完璧じゃない/この瞬間さえも意味がある」という歌詞も、過去の失敗や苦しい現状を受け止めて前に進んでいこうという彼らの決意表明のようです。

ジョングクは「CanCam」のインタビューで、この「誰だって完璧じゃない」というフレーズが好きだと話していました。

そしてサビで繰り返し歌われていた「You’re my light」というフレーズは、曲の後半では
「I’m your light」という言葉に変化します。

BTSにとってARMYが光であるように、ARMYにとっての光であろうとするBTSの姿は、「暗闇の中でmy light/照らしてあげるから恐れず歩もう」という歌詞からも読み取れますね。

BTSとARMYは、お互いが光であり、一緒に進んでいこうという力強いメッセージが「Lights」には込められているようです。

とくに当時BTSと日本のARMYが置かれていた状況を考えると、歌詞に込められた意味がより心に響きますね。やはり「Lights」は究極のファンソングといえそうです!

MVについて分析

続いては「Lights」のミュージックビデオについて分析していきましょう。「Lights」は、日本オリジナル楽曲としては約4年ぶりにミュージックビデオが制作された曲です。

ミュージックビデオは映画館を舞台にしたストーリー仕立てで、全体的に明るく楽しげな雰囲気です。1人で映画館のスクリーンの前にいたジョングクのもとに他のメンバーたちが集まってきて、一緒に映画を楽しく鑑賞するというシンプルなストーリーにも見えます。

しかし、所々に意味深な描写が含まれています。とくに印象的なのは、何度か時間が止まるような描写があること。また、メンバーがお互いを拒絶したり存在しないものとして扱うようなシーンもあります。

ジョングクのいるスクリーンにテテが入ろうとしても入口の扉が開かなかったり、楽しそうに話しながら歩くSUGAとJ-HOPEとRMの3人がジンとすれ違い、目も合っているはずなのにそのまま通り過ぎてしまったりします。

ジョングクとジンだけが他のメンバーから孤立し、別の世界をみているようですね。

この設定には、「花様年華」シリーズで描かれた物語や、「MAP OF THE SOUL」で登場したペルソナ(仮面)やシャドウ(影)の概念とのつながりを感じた人も多いのではないでしょうか。

「花様年華」シリーズで描かれたのは、仲間の不幸な結末を変えるためにタイムリープを繰り返していたジンが、自分自身を受け入れ前に進んでいくという結論へたどり着く物語。

そのためには、他者と合わせるためにつけていた仮面を外し自分の中にある影と向き合わなければなりません。

「Lights」のミュージックビデオもこれまでのシリーズと繋がっていると考えるのであれば、他のメンバーとコミュニケーションが遮断された世界にいるジンとジョングクは、まだペルソナ(仮面)なしでは他者と向き合えない状況ととらえることができそうです。

ジンかジョングクのどちらかが動くと他のメンバーの動きが止まり、他のメンバーが動いているときにはジンとジョングクは動くことができないという描写からも、2人と他のメンバーの間にある隔たりを感じさせます。

ところが曲の中盤、「You are my light」と歌っていたサビが「I’m your light」に変わる部分から状況が変わっていきます。

眠っていたジョングクをジンが起こし、スクリーンには止まっていた時が動き出し楽しそうに談笑するジョングクとジミン、テテの姿が映ります。

ジョングクは仲間に自分のシャドウをみせることができたようですね。そしてその楽しそうなシーンを映し出しているプロジェクターのライトが拡大されていくと、そこにはまるでコンサート会場でのアムボムのように輝く無数の光の粒が。

ミュージックビデオの中でもARMYがBTSを照らす存在=lightsとして描かれているようですね。ジョングクはARMYの光で自分のシャドウと向き合うことができました。

そしてシアターで他のメンバーの楽しそうな姿を1人眺めていたジンのもとへ、6人が駆け寄ります。先頭のRMがシアターの扉を開けるときにも、画面には小さな光の粒がきらめいています。

そしてジンがひときわ強い光に包まれたとき、やっと7人がスクリーンの前に揃い全員が笑顔を浮かべます。ジンもやっと他のメンバーと心を通わすことができたようです。

Lights=ARMYだと仮定すると、ARMYの存在がメンバーが心を通わせる鍵となっていると読み解くことができますね。

まとめ

いかがでしたか?今回はBTSの日本語オリジナル曲「Lights」の歌詞やミュージックビデオを考察してみました。

解釈は人それぞれかと思いますが、歌詞の内容やメンバーのインタビューからもやはりLights=ARMYへの思いを強く感じられるのではないでしょうか。意味深なミュージックビデオはこれまでの作品とのつながりも感じられておもしろかったですね。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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