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【少女に何が起こったか】はどんなドラマ?出演者の現在は?

現在も女優・歌手として第一線で活躍している小泉今日子さんが初めて主演した連続ドラマが「少女に何が起こったか」。

このドラマは1985年1月8日から3月26日にかけて毎週火曜日に放送されたTBS系列・大映テレビ制作のドラマです。

天才ピアニストであった亡き父の娘であるという証を求めて、ピアニストを目指す少女が、母の死をきっかけに、自分の出生の秘密を確かめるために上京し、彼女の周囲の特異なキャラクターたちと織りなすシンデレラストーリーです。

今回は、この「少女に何が起こったか」に出演した主要なキャストの皆様の現在についてご紹介したいと思います。

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少女に何が起こったかはどんなドラマ?

野川雪は北海道稚内市で母と暮らしていましたが、母の死後現れた謎の男から「亡き父は有名なピアニストの東雪彦、そして祖父は東音楽大学学長の東雪雄」と聞かされます。

使用人だった母との結婚を認めず、父・雪彦を勘当したという祖父・雪雄に対して「両親に謝罪をして、自分を東家の人間と認める」ということを要求するために雪は東京の東家に向かうのでした。

東家には当主である東雪雄の他、長女の東貴恵、長女の婿養子・東久之、次女の東節子、久之と貴恵の長女・東美津子、長男の東信之が暮らしています。

雪の戸籍の父親欄は空白であり、何も証拠がないため雪は周囲から嘲られ、罵られますが、学長の取り計らいで親子関係が判明するまで、かつての母親同様、東家の使用人として働くことになります。

同時に東音楽大学に特待生として入学。同じ大学へ通う東家の娘・美津子と取り巻きのお嬢様学生、東家の人間、深夜0時になると現れてピアノの練習を邪魔する謎の刑事などに悩まされながらも、雪はピアノの腕を上達させていくのでした。

出演者の現在は?

それでは、大映ドラマの名作「少女に何が起こったか」に出演された主要キャストの皆様の現在に迫ってみましょう。

小泉今日子(野川雪)

小泉今日子さん演じる野川雪は北海道で生まれ育ち、高校卒業後漁港事務所へ就職しますが、母の死後上京し東家で暮らしながら特待生として東音楽大学に入学。打たれ強く健気な性格で両親思いの人物です。

キョンキョンの愛称で親しまれる小泉今日子さんは1982年シングル「私の16才」でアイドル歌手デビューをし、松田聖子さん、中森明菜さんに続く勢いでした。同時に女優としても活躍し、「少女に何が起こったか」は代表作となります。

また、NHK連続テレビ小説「あまちゃん」にも出演し、劇中、天野春子名義で歌った「潮騒のメモリー」がヒットし、話題になりました。

1995年に俳優の永瀬正敏さんと結婚しますが、2004年に離婚。6年後に映画「毎日かあさん」で夫婦役を演じています。この時、永瀬正敏さんは小泉今日子さんについて「主役とは何かということをよくわかっている女優さん」と絶賛しています。

小泉今日子さんはデビュー40周年を迎える2022年、31年ぶりとなる全国ホールツアーを行います。「16歳だった私はどんな夢を見ていたのか。今の私は望んだ未来に立っているのか。その答えを探しに旅に出ることにしました・・・」とコメントしています。

 

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辰巳琢朗(大津光三)

辰巳琢郎さん演じる大津光三は東音楽大学のピアノ科の助教授でピアニスト。美津子の取り巻きから「東音楽大学のプリンス」と称されています。ピアノの素質がある学生を援助する特待生制度の導入にも貢献します。

辰巳琢郎さんは多くのクイズ番組に出演し、「たけし・逸見の平成教育委員会」において驚異的な正答率を誇り、「芸能界のクイズ王」と呼ばれました。また、無類のワイン通でテレビ番組「辰巳琢郎の葡萄酒浪漫」の司会も担当。ワイン会のナビゲートも行っています。

辰巳琢郎さんといえば「くいしん坊!万才」の知的な食レポが人気でした。とにかく語彙が豊富で人の心を掴むのが上手い俳優さんです。

そして俳優としての代表作が「浅見光彦シリーズ」。原作の中の浅見光彦は育ちがよくスマートな2枚目。まさに辰巳琢郎さんのイメージにぴったりでハマり役でしたね。

デビュー以来多くのドラマや映画に出演している辰巳琢郎さんですが、2021年はドラマ「スーパーリッチ」に出演。モバイル会社社長の役を演じました。

 

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賀来千香子(東美津子)

賀来千香子さん演じる東美津子は久之と貴恵の長女で、東音楽大学に在学中。取り巻きからは「東音楽大学のプリンセス」と称されています。助教授の大津に淡い想いを寄せており、彼からピアノの指導を受けるようになった雪をライバル視し始めます。

雑誌「JJ」モデルとしてデビューした賀来千香子さん。ドラマ「ずっとあなたが好きだった」で冬彦さんの妻を演じて大ヒットし、自身の代表作となります。

1994年に俳優の宅麻伸さんと結婚。二人の出会いはドラマ「七人の女弁護士」。3回目のデートで宅麻伸さんがプロポーズし、翌年に結婚。長年おしどり夫婦と言われてきましたが、2012年、残念ながら離婚します。

離婚についてマスコミには「いつしかすれ違い、その距離を埋めることができなくなっていました」とコメントし、円満離婚であったようです。また、この頃ネット上では賀来千香子さんの再婚について囁かれましたが、そのようなこともなく2022年現在も独身です。

ちなみに俳優の賀来賢人さんは賀来千香子さんの息子ではないか?と言われることがありますが、賀来賢人さんは賀来千香子さんのお兄さんの子供、つまり甥っ子に当たります。

 

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松村達夫(東雪雄)

松村達雄さん演じる東雪雄は東家の当主で東音楽大学の学長。過去に息子・雪彦を勘当したことがあり、音楽に関しては厳しい一面もありますが、本来は温厚で愛情深い性格です。

松村達雄さんは映画「男はつらいよ」シリーズでは2代目のおいちゃん役を演じたことで知られています。そのリアルで芝居臭さを感じさせない深みのある演技で個性的な脇役として活躍。特に崩れたインテリ役や温厚な紳士役には定評があります。

1993年「どですかでん」以来23年ぶりに黒澤明監督の「まあだだよ」に主演。小説家の内田百閒さんを演じますが、黒澤明監督曰く、内田百閒さんの遺族がこの映画を観て「そっくりだ!」と太鼓判を押したそうです。

1999年から NHKBS放送の番組宣伝の合間に流れるスポットCMでうさぎの「うさじい」の声を担当。温かい語り口に多くの人が癒されました。ちなみに「うさじい」のモデルは松村達雄さん本人だそうです。

2005年6月18日、心不全のため死去。90歳でした。映画では磯村一路監督の「解夏」が遺作となり、同年4月に自宅で「うさじい」の声を収録したのが最後の仕事となりました。

長門裕之(東久之)

長門裕之さんが演じた東久之は貴恵の夫で東家の婿養子であり、東音楽大学のピアノ科主任教授兼学長代理です。雪や大津を敵視し、義父の前では控えめに振舞っていますが、内心見下しています。

長門裕之さんの若い頃がサザンオールスターズの桑田佳祐さんに似ていると言われ、長門裕之さんの妻の南田洋子さんですら桑田佳祐さんに会った時「似てるわねえ!」と驚いたというエピソードは有名です。

映画「 太陽の季節」に日活の看板スターという位置付けで主演し、奔放で破滅的な青年の生き様を熱演。また、この映画に出演し人気女優となった南田洋子さんと後に結婚。美男・美女のカップルとして当時話題になりました。

妻の南田洋子さんとの名コンビで1965年から1981年までの16年間に渡り「シオノギミュージックフェア」の司会を務めました。南田洋子さんが厳かな雰囲気で進行すると、時折長門裕之さんがユーモラスな発言で場を和ませる絶妙の進行でしたね。

その後「暴露本」問題などもありながらも、おしどり夫婦を続けていましたが、南田洋子さんが認知症を患い、長門裕之さんが介護するも2009年に他界。そして2011年には長門裕之さんも77歳でこの世を去ります。

長門裕之さんは悪役も正義の味方もなんでもこなす器用な俳優でした。最後の出演映画は2010年公開の「青い青い空」ドラマは「隠密八百屋町」が遺作となりました。

岸田今日子(東貴恵)

岸田今日子さん演じる東貴恵は雪雄の長女で信之と美津子の母です。久之の妻で、夫からは「貴恵さん」と呼ばれています。雪彦を慕っており、雪のことは憎んでいます。

岸田今日子さんの父は文学座創設者の岸田國士さん、母は翻訳家の岸田秋子さん、姉は童話作家の岸田衿子さん、そして従弟に俳優の岸田森さんという錚々たる顔ぶれ。俳優の中谷昇さんは元夫です。

岸田今日子さんは日本を代表する女優の一人であり、映画「犬神家の一族」「八つ墓村」などで近寄り難い妖艶さを見せる一方、ユーモラスな役もこなしました。特に「砂の女」における身も凍るような演技は特筆もの。

岸田今日子さん以外の人には演じられない役柄でした。

かつて「とんねるずのみなさんのおかげです」に出演し、芸人顔負けのはじけぶりを見せてくれましたが、さすがは岸田今日子さん、とんねるずのコントに品格を与えてくれました。

岸田今日子さんを有名にしたものにアニメ「ムーミン」の吹き替えがあります。この吹き替えにより、世間の子供達にその声が愛されることになりました。また、独特の声と情感豊かな読みはナレーターとしても唯一無二の存在で、幅広く起用されています。

2006年12月17日、脳腫瘍による呼吸器不全のため76歳で死去。ドラマ「法医学教室の事件ファイル」そして「ミス・マープル」の吹き替えが最後の仕事となりました。後にも先にも岸田今日子さんのような女優は二度と現れないだろうと思います。

 

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辺見マリ(東節子)

辺見マリさん演じる東節子は雪雄の次女で独身、東音楽大学理事長をしています。雪の父・雪彦の妹であり雪の叔母に当たりますが雪を敵視します。

辺見マリさんの父親はスペイン系アメリカ人で母親は日本人です。元夫は歌手・俳優の西郷輝彦さん。西郷輝彦さんとの間には一男一女がいます。

長男の辺見鑑孝さんはミュージシャンで実業家。長女は現在タレント・女優として活躍している辺見えみりさんです。

「ダニエル・モナムール」で歌手デビューした辺見マリさんは1970年にシングル「経験」でレコード大賞・新人賞などを総なめ。一躍人気歌手の仲間入りを果たします。その後もヒット曲を連発しますが、1971年に芸能界を引退、1980年に復帰します。

辺見マリさんは2015年にバラエティ「しくじり先生 俺みたいになるな」のスペシャルに出演し「洗脳されて5億円失った」ということで、拝み屋に洗脳されて大金を搾り取られた経験を語りました。13年間の洗脳生活で支払った5億円は全く戻ってこなかったとか。

2022年現在もタレントとして活動する辺見マリさんはディナーショーやミュージカルの舞台などで活躍中。2021年のクリスマスには娘の辺見えみりさん母娘との3ショットを公開し、フォロワーからは「めっちゃ可愛い」「素敵なおばあさま」などの声があがりました。

 

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柳沢慎吾(東信之)

柳沢慎吾さん演じる東信之は、久之と貴恵の長男で美津子の兄です。ピアノが苦手なため、家族からは”東家の落ちこぼれ”と評されていますが心優しい性格。

柳沢慎吾さんは「ふぞろいの林檎たち」などのドラマで俳優としての地位を確立。とんねるずの特番の「芸能人ねるとんコーナー」で”ごめんなさい”を受けた際の決めゼリフ「あばよ!」が大ブレイク。「いい夢見ろよ!」もお決まりのフレーズですね。

柳沢慎吾さんには「ひとり甲子園」「ひとり警視庁24時」など、自分の身の回りで起きたことや体験をそのまま一人で再現するという豊富な持ちネタがあります。

デビュー以来40年に渡り”笑味期限”知らずの活躍を見せるその理由は、単に俳優にとどまらない「汎用性」の高さにあります。

時には芸人以上のバラエティ力を発揮することもあるため、テレビなどの露出も途切れず、お茶の間にも欠かせない存在として認知されています。

持ちネタも、一過性のものではなく、ある意味普遍的で、決して色褪せることのない”生きた芸”を見せて楽しませてくれています。

 

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石立鉄男(川村刑事)

石立鉄男さん演じる川村刑事は、野川雪のピアノの練習を妨害するため、毎晩深夜0時になると掛け時計の時刻を知らせる音が鳴っている間に雪の前に現れ、「おい!薄汚ねぇシンデレラ!」などと罵り、1時に引き上げます。

石立鉄男さんは演劇から出発し、テレビドラマ「おくさまは18歳」でブレイク。早口でまくし立てるセリフ回しや独特の甲高い声、アフロヘアーがトレードマークです。「パパと呼ばないで」で姪っ子を呼ぶときの「おい!チー坊」というセリフは大流行しました。

その後も「噂の刑事トミーとマツ」「スチュワーデス物語」「少女に何が起こったか」など大映ドラマの常連として活躍。40代後半以降は主役作品も少なくなり脇役中心の活動が続きますが、2004年「Break Out!」などの配信ドラマにも出演。

石立鉄男さんは2007年6月1日、就寝中に急性動脈瘤破裂を発症し、亡くなります。64歳でした。亡くなる3週間前に出演したテレビ番組では自身の役者人生を振り返り「全盛期には5億から10億ぐらい稼いだのに、全部バクチで使い切った」と豪快なエピソードも披露。

俳優として最後の出演作は映画「キャプテン・トキオ」。元俳優でスクラップ小屋に住む謎の老人という役。監督は「あれだけの説得力を出せるのは彼しかいなかった」と語っています。また、同年ドラマ「土曜ワイド劇場」にも出演。これらが遺作となってしまいました。

まとめ

いかがでしたでしょうか。出演者の皆様の現在に迫ってみました。

個性的な出演者が揃っていて見応えのある作品となっています。この作品はこのキャストでなければ成り立たなかったのでは?とも感じてしまいますね。さすがは大映ドラマの名作です。

今回ご紹介したキャストの方々、残念ながらもうお会いできない方もいらっしゃいますが、現在も第一線で活躍されている方も多いので、これは喜ばしいことです。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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